それ、「おたがいさま」で済みませんか?
生活保護受給者に対して「働かずにお金をもらうとはけしからん!」と怒る方がいらっしゃいますが、
どこの会社にも「働いていないのに給料をもらっているオジサン」っていますよね。
ここは「おたがいさま」ってわけにはいきませんか?
電車内のベビーカーが邪魔だと怒る方もいらっしゃいますが、
海外旅行のでっかいスーツケースでたまたま満員電車に乗り合わせてしまうことってありますよね。
これも「おたがいさま」では済みませんか?
「困ったときはおたがいさま」とはよく言いますが、
「迷惑かけるのもおたがいさま」だったりするものです。
この「おたがいさま」、英語で何というのか調べてみたのですが、
なかなかピッタリくる言葉が見つかりません。
「Me too.」「So do I.」は単に状況が同じという意味だし、
「Look who’s talking?」は「どの口が言ってんだ?」という皮肉を込めた表現だし、
「We are both to blame.」は一つの出来事について両者に非があるという意味に聞こえます。
(この辺どうなんでしょう? 詳しい方、教えてください)
「今回はあなたが悪いけど、いつか私が迷惑かけることもありうるよね」という、
「仮定の上での許し」みたいな英語表現はないものでしょうか?
何にでも目くじら立てて白黒つけたがる世の中ですが、
「おたがいさま」で済む程度のことは案外多いのではないでしょうか?
(問題にならないことは問題にしない。それがミニマル思考です)
「MOTTAINAI」よりも「オ・モ・テ・ナ・シ」よりも、
「オタガイサマ」こそいまの日本に必要な言葉だと思います。

20万部超のベストセラー参考書「小論文のオキテ55」シリーズの著者。「受験からビジネスまで使える汎用メソッド」として大手企業の社員研修にも多数登壇しています。朝日中高生新聞で「書ける×受かる!小論文」、朝日小学生新聞では「楽しく発表プレゼンハッピー」を連載中。