人間は、戦う相手をよく間違える
「うちの上層部、考えが古いんですよ!
経営陣を入れ替えないと会社に未来はない!」
なんて息巻いている若手社員によく会います。
会社の将来を視野に入れた、志の高い若者に見えますが、
そもそもなぜそんな改革を訴え始めたのか
よくよく聞いてみると、
「成果を出したのに昇給も昇進もなかった」
「なんで同期のあいつの方が優遇される?」
なんて個人的な不満だったりするんですよね。
だったら、遠回りな会社の改革に挑む前に
待遇面で不満があることを上司に相談してみましょうよ。
あるいはライバルの同期に圧勝するための努力をしましょうよ。
それなのに、
直属の上司に言えなかったり、
どう努力すればいいかわからなかったりすると、
「経営陣に悪い奴がいる」
怒りの矛先がズレてしまうんですね。
家で嫌なことがあって店員に八つ当たりするクレーマーや
日本人であること以外に自慢できるものがないので外国人を叩く人たちも
戦う相手がすり替わっているという点では同じです。
人間は
戦う相手をよく間違える。
『ざんねんないきもの事典』風に言ってみました。

シリーズ累計25万部のベストセラー参考書「何を書けばいいかわからない人のための 小論文のオキテ55」の著者。代々木ゼミナール小論文講師を経て、現在は企業研修講師としてビジネスパーソンにロジカルシンキング、ロジカルライティングを指導。合同会社ロジカルライティング研究室代表。