実験というのは、
Plan:「こうじゃなかろうか?」という仮説を立てて
Do:実際にやってみて
Check:予想通りの結果になったかどうかを検証する
という段取りで行うものです。
「PDCAが回らない」という組織は往々にして「計画を立てられない、計画通りに実行できない」ことが問題だと考えがちですが、
本当は「検証していない、検証できていない」から次のAction(改善)に回っていかないのです。
なぜ検証ができないかというと、
「何がどうなったら成功とみなすか」という指標が定まっていなかったり、この定め方を間違えていたりするからです。
「こうすれば売上が伸びるんじゃなかろうか?」であれば「売上」が検証すべき指標のはずですが、
この段になって「いやいや、顧客満足度も大事じゃないか」「費用対効果が悪い」という別の指標を持ち出してくる人がいるわけです。
で、結局あの工夫に売上を伸ばす効果があったのかなかったのかはうやむやになってしまう。。。
(日本人に「実験思考」が欠けている原因の一つに、高校で理数科目を放棄しても大学に入れる「私立文系天国」という現実があると思うのですが、その話はまた別の機会に)
「この数値がいくつ以上になったら効果ありとみなします」
計画の段階で、検証すべき指標をはっきりさせておくことが大事です。
「いや、顧客満足度も……」なんて言われても「それ、今じゃないんで」とはねつける勇気を持ちましょう。
合同会社ロジカルライティング研究室 代表
ベストセラー参考書「小論文のオキテ55」シリーズ著者
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされた敗北感をきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢され、NHKの教育バラエティ「テストの花道」にも出演。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーとなる。
現在は社会人教育に転身し、製造、IT、建設、エネルギー業界を中心に大手企業60社以上の社員教育に携わる。「受講した翌日、契約が取れた」「険悪だったリームの雰囲気が変わった」など即効性のあるノウハウが支持される。
「世のつまらねえ研修を撲滅し、楽しく学べて役に立つ魔法に変える」がモットー。