「これについて、君の意見を聞かせてくれないか?」
「・・・・・・意見ですか? 特にありません。。。」
意見を求められると、固まってしまう人っています。
若手ほど多いですよね。
発言を求められて固まってしまう人というのは
「正解を答えなければならない」と思い込んでいる人です。
「間違ったことを言ったら、怒られる」と心配している人です。
「この答えで自分の評価が決まってしまう!」と恐れている人です。
でも、たとえば会議で意見を求められたとき、
若手社員ほど
「ズバリ正解」なんか求められているわけないんですよね(笑)
正解は最後に社長が決めるんです。
「こんなサービス始めたらどうっすかね?」という若手の雑な提案に対し、
ある上司は予算がどうだとつっこみ、
ある先輩は技術的にどうのこうのとつっこみ、
同僚まで法的にここクリアしないととつっこみ、
みんながいろんな角度からツッコミを入れてくれるおかげで
議論が前に進むわけです。
そのきっかけ作りこそ、意見を求められた若手の役目なんです。
だからツッコミどころの多い提案で十分なんです。
「間違い」なんか心配する必要はないんです。
ていうか、
社長が最後に下す結論だって、「正解」とは限りません。
それがうまくいくかどうかは、やってみないとわからないんです。
社長の判断ミスでコケた会社なんてたくさんありますから。
「これが原因じゃないだろうか」
「こうすればいいんじゃないだろうか」
意見というのは、仮説なんですよ。
仮説なので、正しいかどうかはやってみなければわからない。
アタリかもしれないし、ハズレかもしれない。
先日のメルマガで
「批判はあるものと割り切る」という話をしましたが、
同じように
「ハズレることもあると割り切る」ことも必要なんです。
意見を求められたら、
「ハズレかもしれない仮説を言ってみる」ことが大事なんです。
では、
多くの人が
「正解を答えないと叱られて評価を下げられる」
と心配してしまうのはなぜか?
それは多分学校です。
教室では「当てられたら正解を答える」ものとされていますからね。
「正解主義」と「仮説主義」。
180度異なるイデオロギーなので、学校にこの方針転換を求めるのは難しいかもしれません。
でも、だからこそ
「仮説主義」に気づいたビジネスマンは頭一つ抜きん出るチャンスです!
実は流行りの「PDCA」も、「仮説を立てる」という発想がないと機能しないものですから。
それについてはこの記事もご参照ください。
「ビジネス国語」によって職場の諸問題を解決する研修講師。
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされたのをきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢される。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーに。
その後、所属予備校が業界最大手から陥落し全国の校舎を閉鎖、自身もリストラされる怒涛の数年間を経験。意思疎通のエラーで混乱していく組織を詳細に観察し「ビジネス国語」を体系化する。独立後は社会人教育に転身し、大手企業の社員研修に多数登壇。受講者との軽妙なやり取りは「研修というより、めちゃくちゃ役に立つエンタメ」と評される。
→プロフィールの続きを読む