先生のプライドが高いと、問題解決型ライティングを教えるのは絶対無理
大学入試の小論文も
公務員試験の教養論文、論作文も
「世の中の問題に対して解決策を出せ」という
問題解決型ライティングです。
ところが、
この「解決策のアイデアを出す」ということを
ほとんどの先生が教えてくれないんですよ。
すでに行政や企業がやっている事例を並べただけの解答例が多いですね。
(これでも解決策を出そうとしているだけマシな方ですが)
なぜ「解決策のアイデアを出す」ことを教えてくれないかというと、
プライドが高いんだと思います。先生の。
アイデアを出すと、反対されたり批判されたりしますから。
「先生」と呼ばれていると
「不正解」を恐れるようになるんです。
間違いを指摘されると、立場が脅かされるような気がするんです。
だから、間違いを指摘されないように
すでにある施策を調べて書くという「後出しじゃんけん」に走っちゃうわけですよ。
新しい提案をしたら、賛成と反対に分かれるのが当たり前なんですけどね。
席替えを提案しても「今の席がいい。変わりたくない」と反対する人は必ずいるじゃないですか。
現状維持バイアスです。
だから自分が書いた解答例の提案には
一定数の反対意見が出るものと割り切るべきなんです。
「先生=正解を知っている」というプライドを捨てないと、
「批判されるリスクを背負って提案をする」ことを
自分でも実践できないし、人にも教えられません。
学校や予備校の小論文指導が
何年経っても変わらなかった謎が解けました。

シリーズ累計25万部のベストセラー参考書「何を書けばいいかわからない人のための 小論文のオキテ55」の著者。代々木ゼミナール小論文講師を経て、現在は文章力トレーニングの専門家として大手企業の社員研修に多数登壇。合同会社ロジカルライティング研究室代表。