大学生に就活のエントリーシートの指導をしながら、
内心「こりゃ無理ゲーだな」と思うことがあります。
どんな仕事が向いているか?
自分の強みは何か?
それって、頭の中だけで考えると
「これが強い人と思われたい」という願望が混ざってしまうんです。
あれこれトライしてきたことの中で、
これは勝った
これは負けた
これは微妙
これは圧勝
という「事実」を数え上げて初めて
強み、弱み、向き、不向きが明らかになるわけで、
就活シーズンになってから
慌てて「内省」してもダメなんです。
ましてや「自分探し」とかいって、
リュック背負ってインドに旅立っても意味ないんです。
たくさんアウトプットした人は
「自分探し」なんか必要ないんですよ。
そこに「事実」として転がっているので。
・・・この話は大学1年生に話すべきですね。
「いまから3年間、いろいろアウトプットして『勝った/負けた』を並べろ」と。
そんなことを言っている私の場合、
はっきり結果が出るアウトプットが
本の売上なわけですが・・・
これまで8冊出版した中で、
売り上げトップ3が
『小論文のオキテ55』
『AO・推薦のオキテ55』
『公務員試験 無敵の論文メソッド』
で、ワーストが
『現代文のオキテ55』
『公務員試験 無敵の文章理解メソッド』
はい、売上的には明らかです。
「現代文の先生」ではなく「小論文の先生」なんです。
自分としては、現代文に関して「誰にも負けない高度なノウハウ」を持っている「つもり」なんですよ。
でも残念ながら、それは市場にはウケてない(苦笑)
冷酷な事実ですが、
これを受け入れると今後の身の振り方が定まってくるわけです。
「『現代文の先生』を名乗って林修先生に挑んじゃいけない」と。
なんて、
この歳になって、社会的にもいろいろ試した結果
わかってきたのであって、
まだ二十歳そこそこの大学生に
「あなたの強み・弱みは何ですか?」なんて聞いても
そりゃ無理な質問だよなあ、と思う今日このごろです。

合同会社ロジカルライティング研究室 代表
ベストセラー参考書「小論文のオキテ55」シリーズ著者
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされた敗北感をきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢され、NHKの教育バラエティ「テストの花道」にも出演。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーとなる。
現在は社会人教育に転身し、製造、IT、建設、エネルギー業界を中心に大手企業60社以上の社員教育に携わる。「受講した翌日、契約が取れた」「険悪だったリームの雰囲気が変わった」など即効性のあるノウハウが支持される。
「世のつまらねえ研修を撲滅し、楽しく学べて役に立つ魔法に変える」がモットー。