受験生のみなさんは、共通テストに向けて正月返上の猛勉強中だと思います。
中には「頑張ってるけど、点数が伸びない。。。」と挫けそうになっている人もいるかもしれませんね。
予備校時代、こんな生徒がいました。
先生〜、理科がやばいんですけどぉ
へ? 俺、国語の先生だけど?
どうやら理科の先生に匙を投げられて、行くところがなくて私に愚痴りに来たようです。
聞くと、化学が超苦手で直前の模試が「17点」だったそうで。
ところで君、何学部受けるんだっけ?
経済学部です
文系じゃん! 何でわざわざ化学を選択してるの? 地学とか生物とか文系向きの科目もあるのに
高校3で化学やってたのでそのまま化学で受験して、それで落ちたので予備校でも化学を・・・
「いままでやっていたから、そのまま」って(笑)
まあ、大人でも低迷する組織ではよく見られる行動パターンですが。。。
じゃあいまから地学とかに変えてみたら? ダメモトで。
そっか! その発想はなかった! 先生、天才!
そんな会話をしたのが年末です。センター試験(当時)半月前での受験科目変更。
私も言い出しっぺの責任があるので、「いっしょに過去問を解いてみよう」ということになりました。
すると・・・
地学の問題って面白いんですよ。
地層とか天体の動きとかの図があって、ちょっと長めの問題文はその図が何を表しているかの説明になっています。
その説明をちゃんと読むと7割は解ける! 知識ゼロでも!
だから地層がこうなっていて、こっちが古い地層ってことだから、②が正解なんじゃない?
すごいすごーい! 先生なんで知ってるんですか? 地層が出たらこう解くって、覚えておきますね!
いやいや、知識じゃないから。説明を読めばわかるから。
てか、解法丸暗記しようと考えてるから化学もできなかったんじゃないの??
ちょっとこの図を説明してみ?
えっと、火星が地球に、あれ? 地球が火星を、ですか?
勉強苦手な子って、「てにをは」を見ないで用語だけ目に入ってくるんですよね。
2週間、地学の勉強というより「問題文をちゃんと読む」という日本語の特訓を続けました。
そしてセンター試験本番。
地学85点でした! 理科では自己最高!!
物事の流れを妨げているポイントを「ボトルネック」といいます。
ワインやビールの瓶って首の部分が細くなっているじゃないですか。あのイメージです。
「○○がネックなんだよなあ」も元々はボトルネックのことです。
この生徒のケースでは思考のボトルネックが2つありました。
- 高3で化学を履修していたから受験も化学と思い込んでいた
- 問題文をちゃんと読まず解法パターンを丸暗記していた
思い込みを取っ払って、目の前の状況をちゃんと見れば解決の糸口は見えてくるものです。
物事がうまくいかないときは、ボトルネックを探してみましょう。
合同会社ロジカルライティング研究室 代表
ベストセラー参考書「小論文のオキテ55」シリーズ著者
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされた敗北感をきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢され、NHKの教育バラエティ「テストの花道」にも出演。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーとなる。
現在は社会人教育に転身し、製造、IT、建設、エネルギー業界を中心に大手企業60社以上の社員教育に携わる。「受講した翌日、契約が取れた」「険悪だったリームの雰囲気が変わった」など即効性のあるノウハウが支持される。
「世のつまらねえ研修を撲滅し、楽しく学べて役に立つ魔法に変える」がモットー。