仕事柄、いろいろな方の原稿やプレゼンを拝見するのですが、
「たとえば」のあと、「比喩」を挙げるか「具体例」を挙げるかでミスしている方って多いですね。
「ネット通販で爆発的に利益を上げる方法」がテーマなのに
「たとえばラーメンの具でいうとネギを煮玉子に変えるようなものなんです!(ドヤッ)」
・・・いやいや、HPにどんな文言を載せるとか、申し込みフォームをどう作るかという具体例を聞きたいんですけど。。。
語っている方は「わかりやすく噛み砕いている」つもりでしょうが、
具体例を求めているときに比喩を語られるとイライラするものなのです。
「比喩」と「具体例」はまったく別物です。
比喩=全然違う世界の、似たような例
具体例=同じ世界の、実際にある事例
虫の話をしていても
イソップの「アリとキリギリス」は比喩、
ファーブルの「昆虫記」は具体例なのです。
具体例を挙げるべきなのは、理論はわかるが証拠が欲しいとき。
(冒頭のネット通販の話だと、「自分でもできるんだろうか?」という不安があるとき)
比喩が必要なのは、そもそも理論がわかりにくいとき。
(若者に「真面目に働け」と説いても響かないので、昆虫に喩えている)
聞き手(読み手)はいま「理論が飲み込めない」段階なのか、「証拠が欲しい」段階なのか。
それによって「比喩」と「具体例」は使い分けましょう。

合同会社ロジカルライティング研究室 代表
ベストセラー参考書「小論文のオキテ55」シリーズ著者
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされた敗北感をきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢され、NHKの教育バラエティ「テストの花道」にも出演。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーとなる。
現在は社会人教育に転身し、製造、IT、建設、エネルギー業界を中心に大手企業60社以上の社員教育に携わる。「受講した翌日、契約が取れた」「険悪だったリームの雰囲気が変わった」など即効性のあるノウハウが支持される。
「世のつまらねえ研修を撲滅し、楽しく学べて役に立つ魔法に変える」がモットー。