コミュニケーションの研修で必ず話すのが
「疑問形には『質問』と『反語』の2つがある」
という話です。
反語というのは、疑問形を使って否定する話し方です。
「そんなことあるだろうか?(いや、あるわけない)」
学校では古文の現代語訳で習いますね。
でもこれ、古文どころか現代人の人間関係をギクシャクさせる「地雷言葉」なんです。
「いまの発表ですが、◯◯の場合はどうなるんですか?」「上司の発表を批判するとは生意気な!」
「頼んでた資料、いつできるの?」「(やばい、急かされてる!)すみません、いますぐやります・・・」
「なんで1位を目指さなきゃだめなんですか?」「2位でもいいとか言ってるよ、こいつ」
「質問」しているだけなのに、相手は「否定」されたと勘違いしてしまうんですね。
うちの子のお友だちの間でも、まったく同じやり取りがありました。
3年生になると集団下校ではなくなるんですが、この辺は物騒なのでママたちが「なるべくみんなと一緒に帰らせよう」と決めていました。
すると、そのことを知らなかったAちゃんが
Aちゃん「なんでこのグループで帰らなきゃいけないの?」
Bちゃん「私たちと帰るのが嫌なの? だったら別にいっしょに来なくてもいいよ!」
Aちゃん「そんな言い方しなくても・・・」
Bちゃん「ふん!」
めんどくせー(笑)
でも、こういう「めんどくささ」の一部は
「女子だから」ではなく「疑問形の紛らわしさ」が原因だったりするわけです。
・疑問形には質問と反語がある。
・相手の疑問形を勝手に反語と決めつけてはいけない。
・質問と受け取ってバカ正直に答えを返すべし。
研修やビジネスセミナーで話すと「初めて聞いた」とよく言われます。
小学校の国語で教えてくれたらいいのに。。。
<メルマガ【ミニマル思考カフェ】2021.4.18 Vol.0964>
「ビジネス国語」によって職場の諸問題を解決する研修講師。
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされたのをきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢される。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーに。
その後、所属予備校が業界最大手から陥落し全国の校舎を閉鎖、自身もリストラされる怒涛の数年間を経験。意思疎通のエラーで混乱していく組織を詳細に観察し「ビジネス国語」を体系化する。独立後は社会人教育に転身し、大手企業の社員研修に多数登壇。受講者との軽妙なやり取りは「研修というより、めちゃくちゃ役に立つエンタメ」と評される。
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