「あなたの話には主語がない」と叱られる人たち
「あなたの話には“主語”がない」と指摘される人、よくいます。
文法的には「主語」じゃないんですけどね。
何についての話題なのかが抜けているんです。
〈ケース1〉
「聞いてくださいよぉ、お客様にすっごい叱られちゃったんですぅ」
「それヤバイじゃん! 店長に報告した?」
「あ、学生時代のバイトで・・・」
「あんたの話には主語がないのよーー!」
たぶん、仕事の合間に昔のことをぼーっと思い出して
頭の中で再現ドラマを反芻していて、
ふと、隣にいた同僚に再現ドラマの途中から話し始めたんでしょうね。
〈ケース2〉
「部長、◯◯工業さんから見積もりが上がってきたんですが、当初の仕様だと現在の設備では難しいということです。いまの予算で仕様を考え直すか、最初の案を通してコストが上がるかという話なんですが、技術的なことをじっくり詰めれば対処のしようもあるかと思って、明日から工場のある北海道に行って直接話してきてもよろしいでしょうか?
「え? あ、ん? 何の話?」
「ですから、明日から北海道に行ってきます」
「有給取りたいの?」
上司がうわの空で話を聞いていなかったわけですが、
この場合も「おまえの報告には主語がない!」と怒られるんですよね(笑)
人は何かやっているときに横から話しかけられても耳に入ってきません。
「部長、ご報告があるのですが、いまよろしいでしょうか?」くらい言って、
相手がこっちを向いて聞く姿勢になってから話しましょう。
「アテンション・プリーズ!」ってやつです。
「あなたの話には主語がない!」と指摘されるケースのほとんどは
「いま何の話をしているのか」が抜けている(あるいは伝わっていない)。
でも「主語がない」と言われてしまうので、次にこう言いますよね。
「わたしは、明日から北海道に・・・」
だから、そっちじゃない!
