「明らかに表現のミスが多い文章」や
「関係ないことが並んでちぐはぐな文章」なら
その場でザクザク直せます。
でも、
「とりあえず内容はわかるし、特にダメな点はないんだけど、
そんなに刺さらない文章」というのは、
紙の上だけでは直せないんですよね。
書いた本人からいろいろ聞き出す必要があります。
ある部品メーカーの方。
《創業何年で、工場がどこにあって、削り出す技術がこうこうで、その部品の種類は何百あって・・・》
書き方が、というよりは情報が業界関係者向けなんですね。
一般の人でも興味を持つような情報を掘り起こす必要があります。
「ところで、その部品ってどこで使われてます? 一番有名なとことか、すごいとことか」
「トヨタのエンジンとか、あとハーレーダビッドソンとか・・・」
「ハーレー?! マジっすか?! それ、最初に書きましょうよ!」
《ハーレーのエンジンに使われるこの部品。弊社のこういう技術で作られています。》
こっちの方が、一般の人が食いつきますよね。
人は大事なことほど書き忘れるんですよ。
読み手にとっては面白くて価値のあることなのに、
書き手にとっては日常のことなので、
せっかくの価値に気づかずスルーしてしまう。
だから、書き手にいろいろ聞いて
価値のあるネタを掘り起こす必要があるわけです。
紙に赤入れするだけではここまでできないんです。
書き手と添削者が対話して初めて、
文章は化けるんです。
「ビジネス国語」によって職場の諸問題を解決する研修講師。
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされたのをきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢される。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーに。
その後、所属予備校が業界最大手から陥落し全国の校舎を閉鎖、自身もリストラされる怒涛の数年間を経験。意思疎通のエラーで混乱していく組織を詳細に観察し「ビジネス国語」を体系化する。独立後は社会人教育に転身し、大手企業の社員研修に多数登壇。受講者との軽妙なやり取りは「研修というより、めちゃくちゃ役に立つエンタメ」と評される。
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