アメリカを「民主主義国家」と思う世代とそう思わない世代を分けている「文脈」
「ねえ、パパ。
マジンガーZに乗ってるのがカブトコウジで、
グレートマジンガーに乗ってるのは何テツヤだっけ?」
「剣鉄也(ツルギテツヤ)だよ」
って、幼稚園でそんな話したらパパの歳がバレるからやめてくれ!
リアルタイム世代からすると、マジンガーZは「懐かしのアニメ」ですが、
2018年の「劇場版 マジンガーZ/INFINITY」を観た3歳児には
むしろガンダムよりも新しいロボットのようです。
世代が違うと、受け取り方が違うんですね。
「古いもの」という知識がないので。
感性の話ではなく、知るまでの文脈が違うんです。
うちの親子ほど離れていなくても、
たった数年の差で違いが出ることもあります。
90年代まで、授業中に「民主主義の国といえば、どこ?」と聞くと
多くの高校生は「アメリカ」と答えていました。
ところが、2003年くらいから
「アメリカ」と答える生徒がほとんどいなくなったんです。
代わりに「日本」と答える生徒が多くなりました。
2001年の9.11テロのあとアフガン空爆やイラク戦争に突っ走るアメリカは
当時の高校生の目には「民主主義」には見えなかったようです。
ちなみにそのころ、日本の総理大臣は
「自民党をぶっこわす!」と叫んだ小泉純一郎さんでした。
これが2009年にまた変わります。
「民主主義の国といえば?」「アメリカ」
と答える高校生が再び増えたんです。
オバマ大統領の登場です。
白人じゃなくても大統領になれる、開かれた国に見えたようです。
たまたまいつも使っているテキスト(過去問)の流れでこの質問をしていたので
学年によってアメリカが「民主主義の国」か否かが分かれることに気づいたのですが、
質問していなければ絶対気づかなかったと思います。
もしかしたら、いま
あなたの隣に座っている人は
まったく違う文脈で
世界を見ているかもしれません。
