この4月、下の子が幼稚園に入りました。
この解放感!!(笑)
家に未就園児がいない昼間って、こんなに静かで落ち着けるものなんですね。
数年ぶりに夫婦で近所のイタリアンに出かけ、バスのお迎えの時間には二人ともワインで酔っ払っていました(笑)
上の子が生まれた頃、「週5日出張」とか「1か月留守」とか家内にはずいぶんワンオペ育児をさせてしまった反省もあって、
下の子が生まれてからは毎晩遅くなる予備校の仕事をやめて、昼間がメインの企業研修、ビジネスセミナーの仕事にシフトしました。
これだと案件ごとのスケジュールなので、「その日はもう予定が入っていて・・・」と言いやすいんです。
(「予定」といっても遠足とか運動会とかなんですが)
執筆仕事の日は近くの「隠れ家」で午後4時くらいまで書いて、そのあとは子どもたちと公園に繰り出します。
そんな「イクメンシフト」を3年続けました。
やってみると父親自身もいろいろ変わるもんですね。
1 潔癖症が治った
以前は極度の潔癖症で、電車では吊革も手すりも絶対触らず仁王立ち、うっかり触ったら手ピカジェルで殺菌しまくるような人間だったのですが、
幼児2人連れて出歩くようになると、そんなこと言っている余裕がなくなりました。
転ばないように手すりはしっかり握るようになるし、チビ達は吊革にぶら下がりたがるし。
意外とあちこち触っても消毒しなくても、病気にはならないものですね。
「清潔/不潔」って、目に見えないだけに想像の産物だったようです。
2 「正しい」より「ご機嫌」
自分の本『ミニマル思考』の中で「怒る、叱るは無駄」とか書いている割に、
子どもを相手にしているとキレることはあります(笑)
これは一番の修行でしたね。夫婦ともども。
つい勢いで「早くしないとテレビ消すよ!」「片付けないとおやつあげないよ!」と言ってしまうのですが、
これだと余計反発させてしまい、グダグダが長引きます。
「片付けない人は・・・・コチョコチョコチョコチョ!!」
交換条件出したり正論で諭すよりも、コチョコチョの刑で笑わせた方が機嫌よく動いてくれます。
え、しつけにならない?
いいんです。うちは「しつけ」しないんで。
規則正しい生活や整理整頓は、子どもたちが大きくなって必要を感じたら自分たちで工夫するでしょうし(私もそうだったので)。
「きちんとした生活」って案外脆いもので、人生いろいろあると生活が荒れてゴミ屋敷になることってよくあります。
むしろ気持ちが荒んだときの立て直し方を何パターンも経験している方が役に立つと思うんですよね。
子どもが駄々こねたり泣いたりした時こそ、親のアイデアの出番です。
・・・なんて、開き直れるまでずいぶんかかりましたが。
3 成長のタイミングは人それぞれ
以前、ある短大の幼児教育学科で毎年講演をしていました。
子どもが生まれる前は、応接室で先生方に会うなり次のスケジュールなど実務的な話を始めていたのですが、
上の子が生まれてからは仕事の話は一切なし。
「うちの子、あんまり喋らないんです」
「お友達と仲良く遊べなくて」
「いまだにオムツが取れないんです」
自分の子どもの相談ばかりしていました。
すると幼児教育学科の先生、ニコニコしながらこう言って下さるんです。
「そんなものよ、子どもって(笑)」
確かに、自分の子どもや近所の子どもたちを見ていても、
あまり喋らない子もいつの間にかよく喋るようになり、
おもちゃを取り合っていた子が貸してあげるようになり、
トイレも自分で行けるようになっていました。
ただ、そのタイミングがバラバラだっただけで。
大人もそうかもしれません。
早熟で大人びた新入社員もいれば、学生っぽさが抜けない社会人もいますが、
学んだり成長したり立ち止まったり飛躍したりするタイミングは人によって違うわけで、
「こうあるべき」という型にはめない方がいいのかもしれません。
まとめると、「イクメンシフトでいろいろ柔軟になった」という話です。
振り返ってみると、子どもを持つ前の自分は偏屈だったなあ、不寛容だったなあと気付かされますね。
イクメン、意外といい経験でした。
「ビジネス国語」によって職場の諸問題を解決する研修講師。
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされたのをきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢される。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーに。
その後、所属予備校が業界最大手から陥落し全国の校舎を閉鎖、自身もリストラされる怒涛の数年間を経験。意思疎通のエラーで混乱していく組織を詳細に観察し「ビジネス国語」を体系化する。独立後は社会人教育に転身し、大手企業の社員研修に多数登壇。受講者との軽妙なやり取りは「研修というより、めちゃくちゃ役に立つエンタメ」と評される。
→プロフィールの続きを読む