向上「させた」の? 「させたい」の?
「今月の目標」という項目に
「成約率を向上」と書いたら、「向上させたい」という希望であることはわかります。
でも「先月の振り返り」という項目で
「成約率を向上」と書くと、
「向上させた」とも「向上させようと頑張った」とも読めてしまいます。
「体言止め」は述語が省略されているので
過去形なのか現在形なのか、
事実なのか目標なのか希望的観測なのかが区別つかないんですね。
「向上させた」、「向上を目指した」、「向上させたい」。
誤解を生まないよう、体言止めではなく述語までしっかり書きましょう。
PREPも過去形と現在形を区別して書こう
研修で「◯◯をPREPで書きなさい」というワークをときどきやります。
Point(要点)
Reason(理由)
Example(具体例)
Point(要点もう一度)
「PREPって何?」という方は、こちらをお読みください↓
最初のうちは、みなさんこんな書き方をしがちです。
Point「フェンシングをおすすめしたい」
Reason「体力、観察力、駆け引きの訓練」
Example「大学の推薦入試にも有利」
Point「ゆえにフェンシングがおすすめ」
一見、ちゃんとPREPで書けている風です。
でもよく見ると、Reason と Example が合っていません。
スポーツ推薦って、面接で「体力、観察力、駆け引き」を試すわけではありませんからね。
評価されるのは「全国大会何位」みたいな実績です。
こういう場合は、駆け引きの話とスポーツ推薦の話それぞれをReason(理由)としましょう。
Point「フェンシングをおすすめしたい」
Reason1「体力、観察力、駆け引きの訓練ができる」
Example1「私自身、フェンシングを始めてから◯◯な効果があった」
Reason2「大学の推薦入試にも有利になる」
Example2「一流大学の◯◯選手も△△選手もスポーツ推薦だった」
Point「ゆえにフェンシングがおすすめ」
これならスッキリします。
Reasonは一般論としての理由なので現在形で、
Exampleは実際にあった事例なので過去形で。
こう書き分けると、正しいPREPを組み立てることができます。
<メルマガ【ミニマル思考カフェ】2021.11.5 Vol.1165>
「ビジネス国語」によって職場の諸問題を解決する研修講師。
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされたのをきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢される。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーに。
その後、所属予備校が業界最大手から陥落し全国の校舎を閉鎖、自身もリストラされる怒涛の数年間を経験。意思疎通のエラーで混乱していく組織を詳細に観察し「ビジネス国語」を体系化する。独立後は社会人教育に転身し、大手企業の社員研修に多数登壇。受講者との軽妙なやり取りは「研修というより、めちゃくちゃ役に立つエンタメ」と評される。
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