【結論から話せ】「PREP法」は小論文の段落構成として使えるのか?
PREP法という話し方・書き方の構成があります。
Point 最初に要点
Reason 次にその理由
Example そして具体例
Point 最後に要点をもう一度
この頭文字をとって「PREP法」。
いわゆる「結論から話せ」というやつですね。
たとえば「高校生にアルバイトを許可すべきかどうか」というディベートなら
Point「私は高校生のアルバイトには賛成です」
Reason「なぜならビジネスを学ぶことができるからです」
Example「あのスティーブ・ジョブズもHP社のアルバイトで出会ったウォズと最初のビジネスを始めています」
Point「ゆえに私は高校生のアルバイトに賛成です」
こんな感じです。
この「PREP法」、「文章やプレゼンの構成」として教えられることも多いんですが・・・
小論文の段落構成に使うと、
「解決策を最初に書くの? 問題提起は? 原因は?」
いつもの段落構成と違うことになりますね。
プレゼンでは
「買ってください! なぜならば・・・」
と切り出す営業マンが出てきます。
いやいや、クロージングは最後でしょ(笑)
PREP法は本来、
「1分間で報告するときの話し方」なんです。
「時間をかけて相手を動かすための話し方」とは別なんですよ。
相手を動かしたかったら、
まずは問題点を共有して
それがなぜなのかを理解してもらった上で
解決策を提案する必要があります。
いつもの「問題提起/原因分析/解決策」の3段落構成ですね。
プレゼンやセールストークなら
まずこの商品やサービスが従来のものとどう違うのかを示し(差別化、Difference)
その裏付けや導入事例などを詳しく説明し(具体的詳細、Detail)
提案をしたり未来を描いたりする(次への展開、development)
これを私は「3D話法」と呼んでいますが、詳しいことはまた別の機会に。
いずれにしても、「相手にしてほしい行動」は最後です。
PREPを日本に広めた外資系コンサル会社の人たちも
自分の部下には「PREPで報告しろ」というものの、
自分がクライアントにプレゼンをするときは3D話法です(笑)
PREPを使うとしたら、上記の3段落それぞれをPREPで構成するといいですね。
1 問題提起
Point「◯◯が問題である」
Reason「なぜならこういう人が被害に遭うからである」
Example「実際、こういう事件が報じられている」
Point「ゆえに◯◯に対処しなければならない」
2 原因分析
Point「なぜ◯◯は大事故につながるのか」
Reason「△△を抑える機能がないからだ」
Example「この事例でもそうだった」
Point「以上が◯◯で大事故になる理由である」
3 解決策
Point「したがって、ミスが小さいうちに発見できる仕組みが必要だ」
Reason「トラブルをゼロにはできないが小さくすることは可能だからだ」
Example「具体的には、こういう構造が考えられる」
Point「こうすればミスを早期発見して事故を防ぐことができる」
充実した内容になりそうです。
というか、この型で書かれた文章はめっちゃ読みやすいはずですね。
もちろん大学入試の小論文では
PREP以外の段落の埋め方もありますが、
一つの型として練習するのは悪くないと思います。
PREP法は「文章全体の段落構成」ではなく「1段落の書き方」と覚えておきましょう。
〈メルマガ【論文アカデミー】2021.6.14 Vol.012〉

ビジネス書・受験参考書著者
株式会社キャリア・サポート・セミナー顧問講師
「ビジネス書著者のロジック✕予備校講師のわかりやすさ」を武器とする企業研修講師。
若手社員〜管理職の問題解決トレーニングのほか、広報・セールスライティングのコンサルティング、プロの著者を対象とした文章指導など幅広く活動。
公開セミナーでは満席御礼を連発し、「受講翌日に契約が取れた」「職場の人間関係が改善できた」「笑いと学びが濃密で3時間まったく飽きない」などの評価を得るほか、セミナーの内容をまとめたビジネス書『ミニマル思考 世界一単純な問題解決のルール』は韓国、台湾でも翻訳出版される。
代々木ゼミナール講師時代、ロジカルシンキングを高校生向けにアレンジした参考書『何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55』を出版。発売から6年連続Amazonカテゴリ1位、シリーズ累計20万部を超えるヒットとなり、2013年から2014年までNHK Eテレ「テストの花道」に小論文の先生として出演する。
1969年、青森県生まれ。東北大学大学院文学研究科修士課程修了(認知心理学専攻)。