広島での社員研修のあと、青森に移動して高校生向けの小論文講習会でした。
飛行機の直行便がないため、約8時間の新幹線移動(笑)
こんなに鉄道に乗り続けたのって、学生時代の青春18きっぷ以来ですよ。
広島と青森の弾丸出張中、興味深い発見がありました。
広島弁には「たいぎい」、津軽弁にも「たいぎ」という言葉があるんです。
《Contents》
津軽弁にも「語源」がある
東京では「意味不明」とか「外国語?」とか言われる津軽弁ですが、
よく分析すると、ちゃんと語源があります。
「わ」「な」は万葉集にも登場する古語
「私」は「わ」、「あなた」は「な」ですが、
「我(わ)」も「汝(な)」も万葉集に登場する由緒正しい日本語です。
「〜はんで」は大阪の「〜さかい」と同じ
「〜だから」は
西半分の津軽地方(弘前、青森)では「〜はんで」、
東側の南部地方(八戸)では「〜すけ」。
これは大阪の「〜さかい」に由来します。
江戸時代、大阪商人が北前船で日本海側をぐるっと回っているうちに言葉が伝播して、
新潟の長岡あたりでは「〜すけ」(八戸と同じです)、
山形の庄内地方では「〜はげ」、
さらに北上して津軽で「〜はんで」、津軽海峡を通過して八戸で再び「〜すけ」になったそうです。
そして「たいぎ」を広島でも発見!
「めんどくさい、だるい、しんどい、やる気がしない」は津軽弁で「たいぎ」。
これは「大儀」から来ています。
時代劇で殿様が「ご苦労さん」の意味で「大儀であった」と言う、あれです。
はい、お気づきの方もいますね。
広島弁で「めんどくさい、かったるい」を「たいぎい」と言うそうで。
用法やニュアンスに多少のブレはあるかもしれませんが、
たぶん語源は同じです。
どうやら品詞が違うらしい
文法的にいうと、
津軽弁では「たいぎだ」という形容動詞なのに対し、
広島弁では「たいぎいけえ、たいぎいんじゃ」、イで終わるので形容詞ですね。
ただ、私が広島にいた間はリアルに「たいぎい」と言う人には会えませんでした。
私の知っている広島人、ぶちアクティブな人ばかりで↓
「2000人の崖っぷち経営者を再生させた 社長の鬼原則」板坂 裕治郎 (著)
絶対「たいぎい」とは言わない感じの熱い人です。会社の名前は「タイアンドギー」なのに。
方言に関する興味深い本
自閉症の子は津軽弁を話さない・・・。言われてみれば、たしかにそんな気がします!
地元の保健師たちのあいだでは「常識」だったこの事実を、他県出身の著者が「疑いながら」も科学的に検証していくという内容。
考えられるいくつもの仮説を一つ一つ潰していくプロセスは、「自閉症の言語習得プロセス」という観点からも「方言とは何か」という観点からも読み応えあります。
「ビジネス国語」によって職場の諸問題を解決する研修講師。
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされたのをきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢される。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーに。
その後、所属予備校が業界最大手から陥落し全国の校舎を閉鎖、自身もリストラされる怒涛の数年間を経験。意思疎通のエラーで混乱していく組織を詳細に観察し「ビジネス国語」を体系化する。独立後は社会人教育に転身し、大手企業の社員研修に多数登壇。受講者との軽妙なやり取りは「研修というより、めちゃくちゃ役に立つエンタメ」と評される。
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