「効能」や「医学的根拠」を説明しても、相手の「欲求」に火がつくわけではない件
ロジカルライティングのワークでは
最初に「自分の好きなものを人に勧める文章を書く」というワークをやります。
はじめはみなさん、説得力が弱いんですよね(笑)
〈本を読むのはいいことです。知識がつくだけでなく、集中力や思考力、想像力も養われます〉
間違ってはいません。
でも、この一文を読んで「私も本を読みたい!」と思うかというと・・・どうでしょう?
「効能」を理屈で説明されても、欲求には火がつかないんです。
それよりも「本を読んだらこうなる」という、憧れの対象を見せてほしい。
〈徳川家康が天下を治めることができた理由、それは彼が無類の読書家だったことにあります〉
これなら「俺もビッグになりたい」という野心から本を読み始める人が出てくるかもしれません。
もちろん芦田愛菜さんでも宮里藍さんでも、読書家の有名人ならいいですよ。
こういうのもありました。
〈ニンニクは体にいい。疲労回復や免疫力アップ、美肌効果まである〉
健康にいい食べ物やサプリなら他にもあるわけで、
私のようにニンニク食べない人間に、ニオイ問題を乗り越えてまで食べさせるまではいきません。
〈巨匠パブロ・ピカソは、大のニンニク好きでした〉
そうか、91歳で亡くなるまで芸術にも恋にもバリバリ現役だった秘密はそれだったか!
効能を語るより、
効果を体現した有名人を挙げる。
説得力を高めるテクニックの1つです。
<メルマガ【ミニマル思考カフェ】2019.4.20 Vol.0235より>

シリーズ累計25万部のベストセラー参考書「何を書けばいいかわからない人のための 小論文のオキテ55」の著者。代々木ゼミナール小論文講師を経て、現在は文章力トレーニングの専門家として大手企業の社員研修に多数登壇。合同会社ロジカルライティング研究室代表。