生徒が小論文を書いて持ってきて、
それを添削・・・というか「おまえ課題文ちゃんと読めてないじゃん」から始まって
また家で書き直させて・・・。
正直なところ、これをくり返しても全然進歩しない子って多いです。
いわゆる「地頭」は一人で答案を書いても伸びません。
小論文で一番効果的なのは、グループ討論です。
自分の考えが深いのか浅いのかは自分ではわかりませんが、
仲間の考えを聞くと「そこまで考えるの?」と自分に足りないものを痛感します。
先生に「こう考えろ」と言われても「先生だからできるんでしょ?」と逃げ道を作れますが、
同学年の友だちが自分より賢いと、逃げ場がありませんから。
課題文や資料から問題点を見つける
→原因を分析する
→合理的な解決策を選ぶ
このように段階を分けて議論するのがいいですね。
このとき、先生はあまり口出しせずファシリテーターに徹するのがいいかと思います。
大人はつい「正解」を言いたくてもどかしくなるものですが、結論(解決策)まで来たときに「あれ?おかしくね?」と誰かが気づいて議論がふりだしに戻るというプロセスも必要です。
1人で答案を書いても先生からのフィードバックはせいぜい1日1回ですが、
仲間と討論すると1時間ずっとフィードバックに揉まれ続けます。
はるかに効率的ですよね。
原稿用紙を捨てよ。教室に集まろう。
小論文を教える立場なのに、
最近は「書くよりも話し合え」と考えるようになりました。
〈メルマガ【論文アカデミー】2021.8.23 Vol.024〉
「ビジネス国語」によって職場の諸問題を解決する研修講師。
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされたのをきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢される。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーに。
その後、所属予備校が業界最大手から陥落し全国の校舎を閉鎖、自身もリストラされる怒涛の数年間を経験。意思疎通のエラーで混乱していく組織を詳細に観察し「ビジネス国語」を体系化する。独立後は社会人教育に転身し、大手企業の社員研修に多数登壇。受講者との軽妙なやり取りは「研修というより、めちゃくちゃ役に立つエンタメ」と評される。
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