秋になると、公務員試験は経験者枠とか就職氷河期世代枠など中途採用の試験が始まります。
「◯◯について、あなたの職務経験を踏まえて論じなさい」
という形が多いですね。
でもこの「◯◯について」の部分と「職務経験」がつながっていない答案って多いんですよ。
「仕事の優先順位について、あなたの職務経験を踏まえて論じなさい」
1段落目でこれまでの職歴をさらっと説明して、
2段落目では
「仕事において重要なのはやるべきことのリストを作り、1重要で緊急なこと、2緊急ではないが重要なこと、3重要ではないが緊急なこと、4重要でも緊急でもないことに分けることである・・・」
これって、
ビジネス書を読んでいる人なら誰でも同じこと書けちゃいます。
それに実際に仕事をしてみると、「これは重要?緊急?」判断に困るグレーの案件が山程あります。
ていうか、下っ端が与えられる仕事はどれも重要かつ緊急だったりします。
本で読んだことをそのまま書くと、
「こいつ働いたことないんじゃないか?」と思われかねません。逆効果です。
いくつかの仕事を経験したなら、それぞれの仕事で優先順位が違っていたかもしれません。
たとえばインフラを作るような会社では「正確さ>納期」だったりしますが、
ゲーム制作会社は「正確さ<納期」かもしれません。アップデートで直せるので。
そういう会社ごとの違いに言及すると「転職歴もムダではない」というアピールになります。
本で読んだことではなく、自分が体験したリアルを書きましょう。
<メルマガ【ミニマル思考カフェ】2021.8.27 Vol.1095>

合同会社ロジカルライティング研究室 代表
ベストセラー参考書「小論文のオキテ55」シリーズ著者
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされた敗北感をきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢され、NHKの教育バラエティ「テストの花道」にも出演。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーとなる。
現在は社会人教育に転身し、製造、IT、建設、エネルギー業界を中心に大手企業60社以上の社員教育に携わる。「受講した翌日、契約が取れた」「険悪だったリームの雰囲気が変わった」など即効性のあるノウハウが支持される。
「世のつまらねえ研修を撲滅し、楽しく学べて役に立つ魔法に変える」がモットー。