実は見出しや太字を指定する記号
ChatGPTの回答をWordなどにコピペすると、謎の記号が含まれていることがあります。
「###」とか「**」とか。
### 2.2 熱処理条件
以下の3つの熱処理条件を設定し、それぞれに3本ずつの試料を用意した。
* **未処理(As-received)**:市販状態のまま、追加処理なし。
* **溶体化処理(Solution Treatment)**:530℃で1時間保持後、水冷。
* **溶体化処理+人工時効(Artificial Aging)**:530℃で1時間保持後に水冷し、160℃で8時間保持。
各処理後、室温で24時間放置し、温度影響を均一化した。
これは「マークダウン記法」といって、エンジニアの人たちがよく使う書き方です。
「#」は見出し、「*」は箇条書き、「** **」は太字を指定します。
Webサイトなど、マークダウンに対応した環境では上の文章がこのように表示されます↓
2.2 熱処理条件
以下の3つの熱処理条件を設定し、それぞれに3本ずつの試料を用意した。
- 未処理(As-received):市販状態のまま、追加処理なし。
- 溶体化処理(Solution Treatment):530℃で1時間保持後、水冷。
- 溶体化処理+人工時効(Artificial Aging):530℃で1時間保持後に水冷し、160℃で8時間保持。
各処理後、室温で24時間放置し、温度影響を均一化した。
見出しと箇条書きと太字がちゃんと表現されているでしょ?
消し忘れるとChatGPT利用がバレる
ところが、誰もが使うWordはマークダウンに対応していません。そのためChatGPTのコピーボタンでコピペすると、マークダウンの記号が記号のまま表示されることがあります。
これを消し忘れると・・・宿題をChatGPTに丸投げしたことがバレてしまう!
ビジネス文書やメールでも「**」を消し忘れている人をときどき見かけます。中身が立派であるほど、ChatGPTに頼ったことがバレるのはカッコ悪い。
痕跡はしっかり消して、完全犯罪を成し遂げましょう。
マークダウン記法は何のため?
エンジニアやWEBクリエイターがマークダウン記法を使うのは、慣れれば早いからです。
いちいちマウスを操作して見出しや太字を設定するより、キーボードから手を離さず半角記号を打ち込む方がずっと合理的です。
マウス操作で中断されないので、文章を書くことに集中できます。
ただし、そのままでは見にくいのは確か。慣れないと、どこが見出しなのか視覚的にはわかりにくいですよね。
あくまでも書く側にとって都合がいいということです。ブラウザなどで表示されて初めて価値がわかります。
AIのプロンプトもマークダウンで書くべき?
ChatGPTがマークダウンで出力するため、生成AIが登場した当初は「プロンプトもマークダウンで書いた方がAIが理解しやすい」と考えられていました。
でも現在はAIが賢くなったので、マークダウンなんか使わず自然な言葉で指示を出せば十分です。
巷の「生成AI講座」では最初にマークダウン記法を覚えさせられたりしていましたね。
「AIを使うって、こんなに難しいのか!(泣)」
それはAIの難しさではなく、慣れない記号を覚えさせられる難しさに過ぎません。
受講生にマウント取るためにわざと難しい記号を教えているとかいないとか。
そもそも、AIそのものは以前からあったのにChatGPTだけが大ブームを巻き起こしたのは、「プログラミング言語ではなく、チャットで対話しながら指示を出せる」というインターフェイスが画期的だったからです。
ChatGPTには普通の言葉で話しかけるのが正解です。##とかではなく。
補足:マークダウンを覚えたい方へ
ぶっちゃけ、マークダウン記法なんか知らなくても困ることはありません。
ブログを書く人がちょっとだけスピード上がる程度です。
私もこのブログをWordPressで書いていますが、見出しとリストだけ半角記号で入力するくらいですね。
用途 | 書き方 | 表示例 |
---|---|---|
見出し | # 見出し1 ## 見出し2 | 見出しレベルに応じた大きな文字 |
箇条書き | - 項目1 - 項目2 | ・項目1・項目2 |
番号付き | 1. 項目1 2. 項目2 | 1. 項目12. 項目2 |
太字 | **太字** | 太字 |
斜体 | _斜体_ | 斜体 |
引用 | > 引用文 | > 引用文 |
※太字と斜体以外は記号のあと半角スペースを入れます。
マークダウン記法を練習したい、またはマークダウンで遊びたいという方にはこちらのサイトがおすすめです。
画面の左半分にマークダウンを書き込んだりコピペしたりすると、右の画面に文字が装飾されてプレビューされます。

合同会社ロジカルライティング研究室 代表
ベストセラー参考書「小論文のオキテ55」シリーズ著者
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされた敗北感をきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢され、NHKの教育バラエティ「テストの花道」にも出演。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーとなる。
現在は社会人教育に転身し、製造、IT、建設、エネルギー業界を中心に大手企業60社以上の社員教育に携わる。「受講した翌日、契約が取れた」「険悪だったチームの雰囲気が変わった」など即効性のあるノウハウが支持される。
「世のつまらねえ研修を撲滅し、楽しく学べて役に立つ魔法に変える」がモットー。