結婚してから十数年、妻の生活習慣についてずっと不思議に思っていたことがありました。
〈ケース1〉
台所仕事をしながら、妻が子どもたちに声をかけます。
「明日の持ち物準備したのー?」
「#$%△●$%&#」
「えー? 何だって?」
「#$%△●$%&#」
「何?! 聞こえない!」
わざわざ2つ離れた部屋と大声で会話しなくても、最初から子供部屋に行って話せばいいのに。
〈ケース2〉
みなさんは夜、自宅のカーテンを閉める派ですか?
私はできればカーテン開けときたい派です。だって夜景がきれいなんだもん。
でも妻は閉める派です。「だって丸見えになっちゃうでしょ」
この「離れた部屋から大声で会話する」「夜になるとカーテンを閉める」という2点が私にはずっと不思議だったんですが、
GWに妻の実家に帰省して、謎が解けたんですよ。
妻は子供の頃から一軒家で育ちました。
住宅地の一軒家って、カーテンを開けているとご近所や道路から丸見えになるんですよね。
「夜→カーテン閉める」という習慣になるのももっともです。
一方、私は子どもの頃から団地暮らしで、人生のほとんどを5階以上で暮らしてきました。
「外から見られる」という発想がないんですね。
さらに、妻の実家で2階にいると、1階から「ごはんできたよー!」と声をかけられます。
わざわざ2階に上がってくるより、階段の下から声をかける方が楽ではありますね。しかも意外と声が通る。
一方、団地暮らしの我が家では遠くから大声を出す習慣がありませんでした。
相手のところまですぐ行けるし、大声出すとお隣に迷惑だし。
集合住宅育ちか戸建て育ちかで、行動様式は変わるようです。
人の「謎の行動」にも、ちゃんと理由がありました。
どちらが間違っているとかじゃなく、お互いのルーツを反映しているんですね。

合同会社ロジカルライティング研究室 代表
ベストセラー参考書「小論文のオキテ55」シリーズ著者
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされた敗北感をきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢され、NHKの教育バラエティ「テストの花道」にも出演。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーとなる。
現在は社会人教育に転身し、製造、IT、建設、エネルギー業界を中心に大手企業60社以上の社員教育に携わる。「受講した翌日、契約が取れた」「険悪だったチームの雰囲気が変わった」など即効性のあるノウハウが支持される。
「世のつまらねえ研修を撲滅し、楽しく学べて役に立つ魔法に変える」がモットー。