セミナー中の「問題解決ワーク」で
「子どもがテレビを見すぎることが問題だ」
と書く方、結構いらっしゃいます。
「それって、問題ですか? 何か困ります?」
えっ?って顔をされること、よくあります。
「ダメに決まってるでしょ!」と反射的に答えちゃいけないんですよ。
テレビを見ること自体が問題なのではなくて、
テレビを見すぎて「どんな実害が発生するか」を明らかにしてほしいんです。
視力が悪くなるからダメなのか、
勉強する時間が奪われるからダメなのか、
アホな番組を見てアホになるからダメなのか、
犯罪報道ばかり見て心が病むからダメなのか。
一口に「テレビを見すぎるのは問題」といっても、
みなさん違う意味で言っていたりするんですよ。
「ダメに決まってるでしょ!」の裏側を探ると、
親が何を心配し、何を大事にし、
何を思い込んでいるのかが逆にわかるんです。
バブル崩壊後の1993年頃、
経済学部の博士課程の大学院生に聞いてみたことがあります。
「経済成長って、しなきゃダメなの?」
「そりゃ、成長しなきゃダメに決まってるでしょ。人口増えるし」
正直、つまんねー奴だと思いました(笑)
まだ人口減少社会とかシェアエコノミーとかコンパクトシティなん
博士課程の大学院生なら最先端の視点を持っているかと思ったら、
意外と従来の成長モデルの住人だったようで。
「ダメに決まってるでしょ!」
その人のいろいろがわかる、面白いリアクションです。
シリーズ累計25万部のベストセラー参考書「何を書けばいいかわからない人のための 小論文のオキテ55」の著者。代々木ゼミナール小論文講師を経て、現在は文章力トレーニングの専門家として大手企業の社員研修に多数登壇。合同会社ロジカルライティング研究室代表。