CSS公務員セミナーで
エントリーシートの書き方の講義をしました。
とりあえず、ノーヒントの状態で
「自分のセールスポイント」について書いてもらったのですが、
最初に出てくるものは全員「つまらない」んですよ(笑)
そりゃ学生ですからね。
プロの著者たちのプロフィールに比べたら
実績もエピソードも「小さい」のは仕方ありませんが、
一番の問題は「自己定義ができていない」ことです。
「自分は◯◯な人間である」という定義です。
「私の強みは先を読んで、人のために働けることです」という書き出しで、
エピソードを読んだら
「何年もグチャグチャなままで引き継がれてきたサークルの帳簿類を
整理し直して、引き継ぎができるようマニュアル化した」という話。
これって、
「先を読んで、人のために働ける」という事例でしょうか?
むしろ
「物事をスッキリ整理しないと気がすまない性分」という方が、つながります。
エピソードが悪いんじゃないんです。
エピソードと自己定義が合っていないと、刺さらないんです。
では、なぜ学生たちは自己定義ができないのか?
それは、どこかで与えられたボキャブラリーを使い回しているからです。
学校で良しとされた価値観を当てはめているからです。
責任感がある、計画性がある、リーダーシップがある、他人のために貢献できる、コミュケーション能力がある、コツコツ努力できる・・・
エントリーシートで頻繁に見られる平凡ワードたちです。
「カオスを見るとスッキリ整理させずにはいられない」
のような偏愛的なワードは
学校の価値観には出てこないわけですよ。
(これを貫いて世界的な有名人&億万長者になったのが『人生がときめく片づけの魔法』の近藤麻理恵さんなのに!)
就活生の「強みを見つける」というプロセス、
私たちでいうところの「セルフ・ブランディング」と同じです。
正しい自己定義の第一歩は
「学校の価値観ワードから離れる」こと、かもしれません。

合同会社ロジカルライティング研究室 代表
ベストセラー参考書「小論文のオキテ55」シリーズ著者
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされた敗北感をきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢され、NHKの教育バラエティ「テストの花道」にも出演。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーとなる。
現在は社会人教育に転身し、製造、IT、建設、エネルギー業界を中心に大手企業60社以上の社員教育に携わる。「受講した翌日、契約が取れた」「険悪だったリームの雰囲気が変わった」など即効性のあるノウハウが支持される。
「世のつまらねえ研修を撲滅し、楽しく学べて役に立つ魔法に変える」がモットー。