「既成のコンテンツ」で講師をやるときも、敢えて「自分のフィルター」を通すことが必要だと思う件
「社内で研修の講師をやるんですけど、どれくらいの準備が必要ですか?」
ときどき相談されます。
「準備」をコンテンツとパフォーマンスに分けてご説明しましょうか。
長くなりそうなので、今回は「コンテンツの準備」のお話です。
講師をやるときって、
「自分のコンテンツ」を話す場合と
「既成のコンテンツ」を話す場合があります。
いまの私のセミナーや研修はほとんど、というか100%「自分のコンテンツ」です。
「ミニマルシンキング」も「3D話法」も自分で体系化してネーミングしました。
この場合、自分が持っているネタの中から研修のオーダーに合うものを選んで組み立てるだけなので、
新たにインプットするということはほとんどありません。楽チンです(笑)
既成のコンテンツを話すのは、
小論文の講義で時事ネタを扱うときですね。
しかも、エネルギー問題から待機児童問題、歴史認識問題、安楽死と尊厳死・・・などなど、やたら幅広いのが大学入試で(汗)
代ゼミ時代はもともと自分が世間知らずだったのもあって、ずいぶん勉強に時間をかけました。
講義は隔週だったので、90分の講義のために2週間準備していたことになります。
本もずいぶん読みました。福島第二原発を見学しに行ったこともありました(震災より何年も前のことです)
ただし、本に書いてあることをそのまま教えるということはなかったですね。
必ず「自分のフィルター」を通していました。
「何でこの問題は解決できずにいるんだろう?」と考えながら調べるので、
誰もまだ指摘していない点に気づいたり、新しいアイデアが浮かんだりするんです。
冒頭のご相談に戻ると、
社員が社内研修の講師を担当するというのは、
実務的な内容で、しかも「既成のコンテンツ」だと思います。
ということは、まずはきっちりインプットする必要がありますね。
最初は「90分のために2週間」みたいに効率の悪いことになりますが、
2回目以降は使い回しができると思って頑張りましょう。
そして、もし社内研修の講師を今後も任されたい、ここで評価されたいと思うなら、
「自分のフィルター」を加えるのをおすすめします。
自信持って語るためにも。
リピートでご指名をいただくためにも。
「いままでもこの研修やってるはずなのに、何で成果が出ていないんだろう?」
なんて考えるだけでも、通り一遍の講義とは違う切り口が見つかると思いますよ。
パフォーマンスの準備については、次の記事で。

ビジネス書・受験参考書著者
株式会社キャリア・サポート・セミナー顧問講師
「ビジネス書著者のロジック✕予備校講師のわかりやすさ」を武器とする企業研修講師。
若手社員〜管理職の問題解決トレーニングのほか、広報・セールスライティングのコンサルティング、プロの著者を対象とした文章指導など幅広く活動。
公開セミナーでは満席御礼を連発し、「受講翌日に契約が取れた」「職場の人間関係が改善できた」「笑いと学びが濃密で3時間まったく飽きない」などの評価を得るほか、セミナーの内容をまとめたビジネス書『ミニマル思考 世界一単純な問題解決のルール』は韓国、台湾でも翻訳出版される。
代々木ゼミナール講師時代、ロジカルシンキングを高校生向けにアレンジした参考書『何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55』を出版。発売から6年連続Amazonカテゴリ1位、シリーズ累計20万部を超えるヒットとなり、2013年から2014年までNHK Eテレ「テストの花道」に小論文の先生として出演する。
1969年、青森県生まれ。東北大学大学院文学研究科修士課程修了(認知心理学専攻)。