「みかんが17個あります。3人兄弟で均等に分けるには?」
ジュースにしちゃえばいい。
「兄弟が形も大きさも違うコップを持っています。喧嘩にならないようにオレンジジュースを分けるには?」
ジュースを飲みきれないほど大量に用意すればいい。
不公平感をなくすには「補正」より「発想の転換」です。
給付金の話が二転三転しています。
景気のためなのか救済のためなのか、目的(イシュー)が混在しているというのもありますが、
「不公平をなくそう」という圧力も話をややこしくしている一因です。
「公平」にはコストがかかります。
受給資格のルールを作り、申請者全員を審査し、ズルしてる奴を探し、見つけたら捕まえないといけません。
制度の漏れで損する人からは補填しろとクレームが来ます。
手続きの仕組みをつくるのにまた民間企業に外注して、コストが発生します。
給付までの時間も社会的コストです。その間に困窮して自殺する人や犯罪に走る人もいますから。
国民全員に一律で配ると、それらの手間はだいぶ省けるかもしれません。
平等に全員に配って管理コストをかけないのと、
公平に必要な人にだけ配って管理コストがかかるのと、
どっちが合理的か、冷静に試算してみたらどうでしょう?
まあ、この「冷静な試算」すら許さないのが
「不公平は許せない!」という感情なんですよねえ(笑)
《おすすめ過去記事》
「東大女子お断り」の東大生サークルに「男女平等」を求めるのはフェミニズム的には正しくても合理的なんだろうか?問題
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「ビジネス国語」によって職場の諸問題を解決する研修講師。
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされたのをきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢される。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーに。
その後、所属予備校が業界最大手から陥落し全国の校舎を閉鎖、自身もリストラされる怒涛の数年間を経験。意思疎通のエラーで混乱していく組織を詳細に観察し「ビジネス国語」を体系化する。独立後は社会人教育に転身し、大手企業の社員研修に多数登壇。受講者との軽妙なやり取りは「研修というより、めちゃくちゃ役に立つエンタメ」と評される。
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