【「公平」のコスト】「必要な人だけ10万円」と「国民全員に10万円」どっちが安上がりなのか問題
「みかんが17個あります。3人兄弟で均等に分けるには?」
ジュースにしちゃえばいい。
「兄弟が形も大きさも違うコップを持っています。喧嘩にならないようにオレンジジュースを分けるには?」
ジュースを飲みきれないほど大量に用意すればいい。
不公平感をなくすには「補正」より「発想の転換」です。
給付金の話が二転三転しています。
景気のためなのか救済のためなのか、目的(イシュー)が混在しているというのもありますが、
「不公平をなくそう」という圧力も話をややこしくしている一因です。
「公平」にはコストがかかります。
受給資格のルールを作り、申請者全員を審査し、ズルしてる奴を探し、見つけたら捕まえないといけません。
制度の漏れで損する人からは補填しろとクレームが来ます。
手続きの仕組みをつくるのにまた民間企業に外注して、コストが発生します。
給付までの時間も社会的コストです。その間に困窮して自殺する人や犯罪に走る人もいますから。
国民全員に一律で配ると、それらの手間はだいぶ省けるかもしれません。
平等に全員に配って管理コストをかけないのと、
公平に必要な人にだけ配って管理コストがかかるのと、
どっちが合理的か、冷静に試算してみたらどうでしょう?
まあ、この「冷静な試算」すら許さないのが
「不公平は許せない!」という感情なんですよねえ(笑)
《おすすめ過去記事》
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<メルマガ【ミニマル思考カフェ】2021.11.22 Vol.1182>

シリーズ累計25万部のベストセラー参考書「何を書けばいいかわからない人のための 小論文のオキテ55」の著者。代々木ゼミナール小論文講師を経て、現在は企業研修講師としてビジネスパーソンにロジカルシンキング、ロジカルライティングを指導。合同会社ロジカルライティング研究室代表。