【風が吹くとなぜ儲かる?】「読解力」を問うはずの国語のテストが「視力検査」になってしまう理由
「読解力って、どうすれば伸びるんでしょう?」というご相談、よくいただきます。
たくさん読めばいい?
現代文の問題を解けばいい?
読解力には3つの段階があるんですよ。
1 書いてあることを見落とさない。
2 書いてあることを別の表現に言い換えられる。
3 書いていないことを補完できる。
「書いてあることを見落とさない」というのは当たり前ですが、
書いてあることが目に入っても、「それが何なのかイメージできた」のと「文字として目に入っただけ」というのでは全然違います。
漢字の並んだ用語、文学的な比喩表現、耳新しいカタカナ語・・・わかったようでわかっていない言葉って多いですからね。
「具体的には誰が何することか」という例を正しく言えたら、ちゃんと理解できたことになります。
もう一つ重要なのが「書いていないことを補完する」。
筆者は当たり前すぎることは省略して話を進めます。
たとえば「グローバルな時代になると政治の求心力が低下する」。
なぜ?
ここには「グローバル→関税とか国際規格とか→一国だけで物事を決められない→決められない政治になる」という因果関係が省略されています。
これを頭の中で補完できた人と、よくわからんけど書いてある結論だけ鵜呑みにする人に分かれるわけです。
「言い換える」と「補完」って、国語のテストで問いにくいんですよね。
回答者の表現がバラバラになるので機械的な採点ができないからです。
そのため、現代文のテストでは「傍線部『◯◯』とはどういうことか=同じこと書いてある部分を探せ」という設問がメインになるわけです。
「ほら、◯ページの△行目に書いてあるじゃないか」と白黒つけやすいですからね(ほぼ視力検査ですが)
以上が、現代文の入試問題をやるだけでは「読解力」が思ったほど伸びない理由です。
読解力を伸ばそうと思ったら「言い換え」と「補完」の練習が必要です。
<メルマガ【ミニマル思考カフェ】2021.10.13 Vol.1142>

シリーズ累計25万部のベストセラー参考書「何を書けばいいかわからない人のための 小論文のオキテ55」の著者。代々木ゼミナール小論文講師を経て、現在は文章力トレーニングの専門家として大手企業の社員研修に多数登壇。合同会社ロジカルライティング研究室代表。