自分の体験を書くのが小学校の作文、
社会の問題を客観的に論じるのが高校生の小論文
と先日書きました。
https://suzukieichi.com/archives/3070
「体験談を書くのは『あなたの体験を踏まえて』と条件がついている場合だけ」ともよく言っています。
では、「あなたの体験を踏まえて」という条件がつく問題は実際どれくらい出題されているのか?
数えてみました。
今回も旺文社の「全国大学小論文入試出題内容5か年ダイジェスト」で。
また440ページめくりましたよ!
(最初からデータになっていたら楽なのに…)
その結果、
国公立大学1024問のうち、設問に「あなたの体験を踏まえて」という条件があるものは22問!
たった2%でした。
しかもそのうち「◯◯について、あなたの体験を踏まえた上で、意見を述べなさい」という短文型の出題は・・・
ゼロ!
すべて課題文が与えられた上で「あなたの体験」が求められています。
読解力がないと出題意図からズレた体験談を書くことになりかねません。実質、学力試験です。
体験談型は2%。
98%の出題は個人的な体験談ではなく、客観的な分析を求めています。
「小論文では自分の体験を書こう」という教え方は、やっぱりミスリードといえますね。
<メルマガ【ミニマル思考カフェ】2021.8.15 Vol.1083>

合同会社ロジカルライティング研究室 代表
ベストセラー参考書「小論文のオキテ55」シリーズ著者
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされた敗北感をきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢され、NHKの教育バラエティ「テストの花道」にも出演。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーとなる。
現在は社会人教育に転身し、製造、IT、建設、エネルギー業界を中心に大手企業60社以上の社員教育に携わる。「受講した翌日、契約が取れた」「険悪だったリームの雰囲気が変わった」など即効性のあるノウハウが支持される。
「世のつまらねえ研修を撲滅し、楽しく学べて役に立つ魔法に変える」がモットー。