夏休みの宿題として、子どもに作文を書かせなきゃいけないという方も多いと思います。
(書かせなきゃいけないって、宿題出されてるのは子どもなの?親なの?)
小学校の作文と高校の小論文はまったく違うことに注意しましょう。
小学校の作文では、自分の体験と自分の気持ちを言語化するのが教育目標。
でも高校の小論文では、社会の問題に対して客観的な立場から提案をすることが求められます。
小論文指導でいまだに「自己主張の書き方」が教えられている混乱は、この辺も原因の一つかもしれません。
(「小論文のオキテ55」が小学生向けではない理由でもあります)
では小学生の夏休みの作文は何をどう書けばいいのか?
大事なのは、書くことを嫌いにさせないことです。
こう書け、ああ書けと大人が口を挟んではいけません。
創作の命が失われます。
東京五輪の閉会式みたいな寒いものになりますよ~(怖っ)
どうしても書けない子には、指示ではなく質問をするといいですね。
「どういう虫だったの? 羽の色は? 最初見たとき何だと思った?」
いろいろ質問して、見たこと感じたことを一通り言葉にさせたら、あとは好きに書かせましょう。
順番とかはどうでもいいんです。まだ小学生ですから。
芥川龍之介が初めて小説を書いたのは東大在学中の22歳、「羅生門」を書いたのは翌年23歳のときです。
「上手く書く」なんて考えるのは文字通り10年早い。
夏休みの宿題なんて、提出するだけで上出来じゃないですか。
まずは自由に書かせて、「書くのが楽しい」と思わせるところがスタートです。
ただし、コンクールなどで賞を獲りに行くなら話は別です。
他の子たちが「体験と気持ち」を書いている中で「社会への客観的な提言」をしたら目立ちます。
その辺の話はまた別の機会に。
<メルマガ【ミニマル思考】2021.8.13 Vol.1081>

合同会社ロジカルライティング研究室 代表
ベストセラー参考書「小論文のオキテ55」シリーズ著者
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされた敗北感をきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢され、NHKの教育バラエティ「テストの花道」にも出演。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーとなる。
現在は社会人教育に転身し、製造、IT、建設、エネルギー業界を中心に大手企業60社以上の社員教育に携わる。「受講した翌日、契約が取れた」「険悪だったリームの雰囲気が変わった」など即効性のあるノウハウが支持される。
「世のつまらねえ研修を撲滅し、楽しく学べて役に立つ魔法に変える」がモットー。