2021年5月2日、東京都と特別区の職員採用試験が実施されました。

CSS公務員セミナーの「特別区ゼミ」では7年連続的中してきた特別区の論文。

 

今回、私が予想したテーマは

「シェアエコノミー」と「行政が住民の経済活動を制限できるか」でしたが・・・

 

実際に出たのはこの2問でした(特別区は2問のうち1問の選択です)。


東京都では昨年、転出者数が転入者数を上回る月が続きました。転出超過等によって人口が減少すると、税収の減少や地域コミュニティの衰退など様々な問題をもたらします。
また一方で、特別区の抱える公共施設の多くが老朽化しており、人口減少がもたらす更なる社会変化に対応した、施設の企画・管理・利活用が求められています。
このような状況を踏まえ、区民ニーズに即した魅力的な公共施設のあり方について、特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。


国際目標である「持続可能な開発目標(SDGs)」では、持続可能な生産消費形態を確保するため、天然資源の持続可能な管理や効率的な利用をめざすことが必要であると示されています。
特別区においてもその目標達成に向けた一層の取組が求められており、食品ロスや廃棄物の削減を進めていくことが重要です。
このような状況を踏まえ、ごみの縮減と資源リサイクルの推進について、特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。

 

予想、大ハズレやん!(泣)

 

インフラの老朽化の話は「都庁ゼミ」で予想・解説していたんですよ。

食品ロスと廃棄物の話も都庁で過去に出ていたので「都庁ゼミ」では触れていたんですが。。。

特別区の方で出たかあ・・・

 

いつも高齢者とか女性とか子どもとか、住民に密接した問題が出される特別区ですが、

今年は都庁の出題内容に寄せてきた感じですね。

 

特別区の論文は「1000字以上1500字以内」です。

400字ずつの3段落構成と考えて、その3段落をさらに200字ずつに分けて書くといいですね。1200字書けば十分です。

問題1を私が書くとしたら、こんな感じでしょうか。

 

第1段落(問題提起)
・「区民ニーズに即した魅力的な公共施設」とは何か。区役所、図書館、公園、児童館、学校などいろいろある中で具体的に説明する。つまり理想。(200字)
・それが老朽化すると誰がどう困るのか。公園の遊具が壊れたら子どもが怪我をする的な、これから起こりうる現実。(200字)

第2段落(原因分析)
・なぜ事故や不便が生じるのか?老朽化しても事故につながる物件とつながらない物件があるはずです。(200字)
・なぜ必要な改修が後回しにされるのか?昔と今で住民の層やニーズが変わった、人手不足で点検が追いついていない、など(200字)

第3段落(解決策)
・老朽化した物件でも事故にならないように使う工夫。(200字)
・壊れた箇所や心配な箇所を見つけたら市民がスマホから行政に報告出来る仕組み。(200字)

答案の出来を分けるのは第2段落の原因分析だと思います。

「なぜ老朽化するのか? 古くなったからだ」というトートロジー(同語反復)は論外として、

「なぜ老朽化するのか? 人口減少でお金がないからだ」とやってしまうと、「人を増やして税収を増やそう」という話になりがちです。そんな思い通りに人口を増やせたら誰も苦労しません。

問いの方向性を工夫しましょう。

「なぜ老朽化するか」「なぜお金がないか」ではなく「なぜ事故が起きる?」「なぜ改修が後回しにされる?」

「お金がない」というのは「現金ゼロ」という意味ではなく、「優先順位が低い」ということですから。

 

以上が、あくまでも「鈴木鋭智が書くとしたら」の案です。

他にはどんな解答例があり得るでしょうか?

〈メルマガ【論文アカデミー】2021.5.4 Vol.006〉

 

 

公務員試験 無敵の論文メソッド(鈴木鋭智・著 実務教育出版)

 

 

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です