誰しも仕事の内容やスタイルには
良くも悪くも「こだわり」があるものです。
私の場合、
パワーポイントのフォントにこだわりがありました。
「ヒラギノ角ゴシックW8」という極太のゴシック体。
バラエティー番組のテロップくらいの太さで、インパクトがあります。
ただし、ヒラギノが標準で入っているのはMacだけなんです。
Windowsにも入っている「創英角ゴシック」というシリーズは
ヒラギノに比べると若干細く、字の迫力に欠けるんですよ。
そこで、会場備え付けのパソコンを使う場合は
Macで作ったパワーポイントのファイルを
PDFに変換します。
アクロバットなどのPDFビューワーで開くと
ヒラギノ角ゴシックW8の極太文字がそのまま映る、という仕組みです。
・・・めんどくさいですね。
でもこれが「こだわり」だったんです!
スライドの「鈴木鋭智らしさ」なので、外せないんです!
このスタイルで5年間、ヒラギノ角ゴシックだけを使ってきました。
ところが最近、
先方の都合でどうしてもパワーポイントのファイルが必要、ということになりまして。。。
しかたなく
全スライドを「メイリオ」に変換したんです。
しかたなく。泣く泣く。
そしたら・・・
ん?
これも、
「あり」じゃないか?(笑)
もちろんスライドの雰囲気はまったく変わるのですが、
これはこれでスッキリして読みやすいし、
線が細くなった分、上品な雰囲気になりました。
「ヒラギノじゃなきゃ死ぬ」という程ではなかったんですね!
たぶん、他の選択肢を試さずに
いままで使ってきたフォントに固執していただけなんです。
5年間のこだわり、なんだったんだろう?(笑)
これに気づいたら、
憑きものが落ちたように気がふっと楽になりました。
「自分のコンテンツは◯◯!」
「自分のスタイルは△△!」
もしかしたら、その「こだわり」を捨てた先に
新しい可能性が見えてくるのかもしれません。
「ビジネス国語」によって職場の諸問題を解決する研修講師。
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされたのをきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢される。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーに。
その後、所属予備校が業界最大手から陥落し全国の校舎を閉鎖、自身もリストラされる怒涛の数年間を経験。意思疎通のエラーで混乱していく組織を詳細に観察し「ビジネス国語」を体系化する。独立後は社会人教育に転身し、大手企業の社員研修に多数登壇。受講者との軽妙なやり取りは「研修というより、めちゃくちゃ役に立つエンタメ」と評される。
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