昨日のセミナーの「問題解決ワーク」で、
若手社員の男性が
「問題点:日曜日に布団の中でスマホをいじってダラダラ過ごしてしまう」
わかります、それ(笑) 国民的問題かもしれない。
で、その続きはというと……
「解決策:枕の位置を変える」
ん? 枕???
聞いてみると、朝起きてスマホに手が届かないように枕の位置を反対にするということなのですが、
たぶんどっち向きでも寝るときに手を伸ばしてスマホを置いたら、起きたときも手が届きますよね。
この場合、解決策が悪いのではありません。
そもそも問題点が問題なのです。
日曜日に布団の中でスマホをいじってダラダラ過ごしても、それだけなら誰にも「実害」がありません。
むしろのんびりできて羨ましい過ごし方という見方もできます。
「スマホのせいで、やりたい勉強ができないのが実害ですかね? マーケティングの勉強をしたいんですけど……」
こうなると、問題はスマホ自体ではありません。
勉強のモチベーションがスマホの誘惑に負けていることが問題だったのです。
「ところで、そんなに勉強したい?」
「したいっていうか、将来のことを考えるとしなきゃいけないって……」
「したくないなら無理に勉強しなくてもいいのに」
「いや、そうはいってもやっぱり……」
ちょっと意地悪につついてみましたが、
勉強というのは「したい」と「しなければ」が分離すると、義務感になってしまい気が重いものです。
「勉強したらこんないいことがあるだろう」という漠然としたイメージだけでは強いモチベーションにはなりません。それに届かなくても何も失わないからです。「実害」がないのです。
そこで、このイメージを何か目に見えるものに変換してみましょう。
たとえば「お金」とか。
マーケティングの勉強をしたら5年後、10年後にいくら稼げているか。
昇進・昇給だけでなく転職や独立の可能性も考慮して目標額を決めましょう。
たとえば「1年間勉強して、5年後に年収1000万円」と決めたら、
勉強が1年延びると1000万円が遠のくことになります。
1年間に日曜日は52回あるので、日曜日1回あたり19万円の損失!!
(ものすごく雑な計算ですが、たとえばの話ですから)
「ヤバイっすね! スマホいじってる場合じゃないっすね! 帰って勉強します!」
どうやら枕の位置を変える必要はなかったようです。

合同会社ロジカルライティング研究室 代表
ベストセラー参考書「小論文のオキテ55」シリーズ著者
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされた敗北感をきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢され、NHKの教育バラエティ「テストの花道」にも出演。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーとなる。
現在は社会人教育に転身し、製造、IT、建設、エネルギー業界を中心に大手企業60社以上の社員教育に携わる。「受講した翌日、契約が取れた」「険悪だったリームの雰囲気が変わった」など即効性のあるノウハウが支持される。
「世のつまらねえ研修を撲滅し、楽しく学べて役に立つ魔法に変える」がモットー。