「著者のための文章講座」というのを不定期に開催しています。
すでに出版されている著者、およびこれから出版する予定の方が対象です。
(今月、受講された方がお二人相次いで出版デビューしました。おめでとうございます!!)
一般の方を対象とした文章講座と異なるのは、
受講者が書く文章が「業界に風穴を開ける斬新な話」ばかりという点。
これが文章「指導」なんか脇に置いて、面白い。
まだ世には出ていない新事実や、目からウロコの方法論ですから。
そんな凄いネタを持つ各業界のプロフェッショナルたちを相手に私が何をするかというと、
その「ぶっ飛んだネタ」を「一般の読者が理解できる文章」にするお手伝いです。
(「ウケる、バズる、感動させる」というのは専門外です。あくまでも斬新すぎるコンテンツが編集者に正しく伝わり、読者に正しく伝わるようにするのが私の仕事。だから「ロジカル文章講座」なのです)
専門家の文章というと「一般の読者とはギャップがありすぎて、理解できない」と思われるでしょうが、
もっと多いのは「一般の読者に気を遣いすぎて、つまらなくなっている」という症状です。
それぞれの業界では第一人者だったり異端児だったり、いずれにしても「俺様のコンテンツ」には絶対の自信を持っている方々。
でも「出版」や「ビジネス書」という世界ではルーキーなんですね。
自分の斬新すぎるコンテンツが出版社の企画会議で認められるかどうか。
本が出ても一般の読者に受け入れられるかどうか。
Amazonで辛辣なレビューを書かれないかどうか。
そこでつい「守り」に入ってしまうわけです。
「デタラメじゃないですよ」「ちゃんと根拠があるんですよ」というバリアを過剰に張ってしまうんです。
そのために、学術論文などの「アカデミックな権威」を持ち出してしまうのです。
定番が「マズローの欲求5段階説」。
2008年前後の「ビジネス書ブーム」の頃は、どの本を開いても冒頭にピラミッド構造の図が出てきました。
個人的な経験だけだと信ぴょう性に欠けるような気がして「権威」を盾にしたくなるのでしょうが、
読み終わった読者の頭には「マズローの欲求5段階説」だけが残る……。
これは防御しすぎです。盾が大きすぎて剣が届いていません。
読者が「その世界でいま一番とんがっているプロ」に求める「根拠」とは、古典的文献による裏付けではありません。
最先端のノウハウと、それを実践した事例です。
その人からしか聞けない「俺様のコンテンツ」です。
むしろ学会の権威や定説をひっくり返してほしいのです。
既存の内容をまとめる教科書の執筆者ならバリア張りまくりでもいいでしょう。
でも、新しいコンテンツで世の中を変えようとする著者にバリアは不要です。
冒頭から、一番刺さる剣を突き立てましょう。
「ビジネス国語」によって職場の諸問題を解決する研修講師。
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされたのをきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢される。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーに。
その後、所属予備校が業界最大手から陥落し全国の校舎を閉鎖、自身もリストラされる怒涛の数年間を経験。意思疎通のエラーで混乱していく組織を詳細に観察し「ビジネス国語」を体系化する。独立後は社会人教育に転身し、大手企業の社員研修に多数登壇。受講者との軽妙なやり取りは「研修というより、めちゃくちゃ役に立つエンタメ」と評される。
→プロフィールの続きを読む