小論文に限らず、ものを教える仕事の人なら
ぜひとも体験しておくべきだと思います↓
Nintendo Switch「ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング」
この「ナビつき」というのがポイントで、
一番の基本から高度な技まで、順を追って学んでいけるように仕組まれているんです。
最初のステップでは
ヒトのキャラクターがいるのですが、レバーを回しても動きません。
「あれ?おかしいな」と思わせたところで、
レバーの命令をキャラクターに届けるというプログラミングを教えるんですね。
次はレバーを動かすと、なぜか後ろに進んで舞台から落ちてしまいます。
「あれ?変だぞ」と思わせたところで、
レバーの命令とキャラクターの連結を変えるということを教えます。
小さな小さな「あれ?できない」
→新しい技を1つ学んで解決
→スッキリ
→次の小さな「あれ?できない」
→(以下くりかえし)
学ぶ順番は決まっています。だんだん高度になるよう、考え抜かれた順番になっています。
無駄に試行錯誤させないのがミソですね。
小論文の指導にも、こういう計算されたステップは大事です。
いきなり「この文章を読んで、考えたことを述べよ」というのはハードルが高すぎますからね。
文章が「日常のちょっとしたこと」という平易な文章でもダメです。
出題者が求める「考えたこと」が、感想ではなく「解決策」だということを知っていないといけないし、
文章から出題者が示唆する「問題点」を読み取る技術も必要です。
その「日常よくある問題」に対し、合理的な解決策を考えるトレーニングも必要です。
これらを一度にすべて要求するわけにもいかないので、
課題文のキーワードを拾っていれば自己主張の文章でも「まあいっか」と◯をつけてしまうと、
「自己主張=いい文章」と刷り込まれてしまいます。
しかも自分で「模範解答」に達していないので、達成感に欠けます。
初心者に模範解答は無理だから60点でも合格、じゃダメなんです。
初心者でも模範解答に届くような問題を設定する必要があります。
ちなみに私の講義はこんな順番ですが・・・
1「待機児童問題について」の3つの解答例から【ガッカリ答案】と【スッキリ答案】を選ぶ
2「生活保護について」の【ガッカリ答案】を読んで、ダメなところを探す
3「環境問題について」「紙製ストロー導入について」など設問に応じて正しい段落構成を選ぶ
4「中学校で制服を義務づけることの是非」(メリット・デメリット型)で「実害の有無で論点を絞る」ことを学ぶ
5「村の過疎化問題」で「問題提起/原因分析/解決策」の考え方を学ぶ
6「アリとキリギリス」を要約マトリックスに整理する
7「課題文を要約した上で、考えたことを述べよ」的な問題
8「グラフを見て、考えたことを述べよ」
9「資料1~3を読み、考えたことを述べよ」
いまのところ、
4で「Win-Winな解決策を出す」ことと「実害の有無で論点を絞る」ことの両方を求めてしまっているなあ。。。
これを別々の問題に分けた方がいいかもしれません。
5の「問題解決のルール」も、
企業研修なら6時間かけるコンテンツなので
設問1つ2つで教えるのはちょっと無理がありまして。。。
そのあとの7~8も、1問ずつだとペース飛ばし過ぎな感じもします。
基本問題→応用問題とうまく構成できたらいいかな?
この辺のカリキュラムを「ナビつく」を参考にしながら練り直しているところです。
〈メルマガ【論文アカデミー】2021.8.9 Vol.022〉
「ビジネス国語」によって職場の諸問題を解決する研修講師。
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされたのをきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢される。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーに。
その後、所属予備校が業界最大手から陥落し全国の校舎を閉鎖、自身もリストラされる怒涛の数年間を経験。意思疎通のエラーで混乱していく組織を詳細に観察し「ビジネス国語」を体系化する。独立後は社会人教育に転身し、大手企業の社員研修に多数登壇。受講者との軽妙なやり取りは「研修というより、めちゃくちゃ役に立つエンタメ」と評される。
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