いまの小学校では理科の教材にこんなカッコいいオモチャがあるんですね。
ゴムでプロペラを回したり、帆で風を受けたりして走るそうです。
上の子(3年生)が弟(1年生)と私を生徒役にして「学校ごっこ」を始めました。
風受け(帆)の大きさによって走る距離がどう変わるかを見るそうです。
紙に「予想」「結果」の欄を作って、
予想
風受け大 1m40cm
風受け小 0m80cm
おいおい、ちょっと待てコラ!
1m40cmだの0m80cmだのという数字を出した理由は?
パパはテキトーな数字を言われると噛みつきたくなります。
「うーん、何となく。大きい方が風を受けていっぱい走るかな?って」
じゃあ数字じゃなくて「風受け大>風受け小」ってことだね。
さあ、実験をはじめようか☆
廊下で、帆を立てた車の後ろからドライヤーで風を当てます。ブォー
結果
風受け大187cm
風受け小217cm
あれ? 予想と違う。小の方が長く進んでる。
「・・・・・・」
どうやら「風受けが大きい方が長く進む」と書くつもりの予定調和が崩れて困っているようです(笑)
いやいや、ここからが面白いじゃないか!
予想外の結果が出てこそ実験のスタートだよ!
まず、
いま小の方が長く進んだのは、まぐれかもしれない。
どうする?
「もう一回やってみる」
大小それぞれ計4回ずつやりました。
大 187, 151, 221, 179 合計738cm
小 217, 271, 214, 207 合計909cm
(まだ平均は習っていないので、合計を使います)
やっぱり小の方が長く進むようです。
さて問題です。なぜ小の方が長く進むんでしょうか?
「軽いから?」
どのくらい軽いのかね?
「あ、キッチンのはかり!」
台所からはかりを借りてきて、帆の重さを量ってみます。
風受け大 9g
風受け小 4g
たしかに重さは5g違う。
では、車の走る距離の違いが本当に「重さのせい」なのかどうか、どうやって確かめる?
「えーと・・・画用紙で5gになるように切って乗せる」
風受けが厚紙でできているので、厚紙で重さを揃えようと考えたみたいですが、
画用紙を5g切り取るって難しくね?(笑)
もうちょっと簡単に5g作ろうよ。
世の中には1個1グラムと決まっているものがあります。何でしょう?
「あ、1円玉! だから、えっと、風受けに5円玉を貼る!」
両替するかー!
試しに量ったら5円玉は約4gでした。(正確には3.75gだそうです)
「じゃあ、5円玉と1円玉で5g」
買い物じゃないんで、ここは正確を期すために1円玉5個にしようよ。
小さい風受けに1円玉5個をセロテープで貼り付けました。
その結果は
211, 175, 167, 217, 合計770cm
実験1では大738cm、小909cmだったので、大の動きに近いといえます。
「重さのせいかも」という仮説は支持されました。
さあ、ここまでをノートにまとめるぞ!
(「自主勉強」という名のらくがき帳がありました)
学校の理科のノートと同じ書式で
(か)=考えたこと、疑問
(予)=予想
(実)=実験方法
(結)=結果の表
(分)=分かったこと
の順に書きました。
(学校でも結構ちゃんと教えてくれるんですね)
今回は(実1)から(仮説)をはさんで(実2)の2部構成です。
「ひゃ~、『パパ塾』がこんなに本気出すとは思わなかった~」
宿題やる代わりに「学校ごっこ」でお茶を濁すつもりが、
飛んで火に入る夏の虫だったようです。
本人は忘れていますが、
学校で実験したときと結果が違った理由には触れていません。
今回は小さいドライヤーだったので、スタート時しか風が当たりませんでした。
学校では大きな送風機を使ったので風が当たり続けたようです。
でも、これ以上続けると集中が切れそうだったので、やめときました。
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「ビジネス国語」によって職場の諸問題を解決する研修講師。
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされたのをきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢される。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーに。
その後、所属予備校が業界最大手から陥落し全国の校舎を閉鎖、自身もリストラされる怒涛の数年間を経験。意思疎通のエラーで混乱していく組織を詳細に観察し「ビジネス国語」を体系化する。独立後は社会人教育に転身し、大手企業の社員研修に多数登壇。受講者との軽妙なやり取りは「研修というより、めちゃくちゃ役に立つエンタメ」と評される。
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