2021年の夏も、各地の高校でオンライン小論文講習会を開催しました。
こちらは7つの高校をつないだ授業の様子です↓
大教室のスクリーンや教室のモニターディスプレイに映して一斉受講しています。
リアル開催とほぼ変わらない臨場感。100人に挙手で答えてもらったり、個別に指名して答えてもらうことも可能です。
例年のリアル開催では参加できなかった地方の学校の生徒たちも、オンラインで地元にいながら参加できました。
このオンライン小論文講習会、どのように実施しているのかご説明しましょう。
■オンライン授業のシステム
1 ツールについて
Zoom、Microsoft Teams、Google Meet、StreamYard、YouTube Liveなど大抵のツールに対応できます。学校で一番使いやすいツールをお選びください。
上の動画ではStreamYardを用いています。ブラウザ(Chrome推奨)で視聴できるので、特別なソフトウェアは不要です。
各会場はパソコンとWEBカメラ、Wi-Fiなどのネット環境があれば参加できます。
2 リアルタイム配信かオンデマンド方式か
講義動画をYouTubeなどにアップしておいて、各自が好きなときに視聴できるオンデマンド方式も可能です。
ただし、学習効果やモチベーションを考えると・・・リアルタイムの方がお勧めですね。
基本的にリアルタイムで一斉受講して、欠席者や復習したい人のためにYouTubeに動画を残しておくという組み合わせが理想的です。
■講習会の基本カリキュラム
私、鈴木鋭智の小論文講習会は1時間×全9回の構成です。
1 志望理由書
2 自己PR書、活動報告書
3 小論文は何を書けば受かるのか
4 どんなテーマにも使える段落構成
5 意見が対立するテーマ
6 問題解決のルール
7 課題文の読み方と要約マトリックス
8 グラフ、資料問題の正しい解き方
9 過去問リクエスト特集
テーマ別(文化論、政治論とか)で並べるのではなく、出題形式別(課題文、グラフなど)で単元を分けています。
テーマ別だと受ける学部によって合う合わないが出てきますが、いまはどこの学部でも「課題文」と「グラフ」は出ますから。
学校のご都合に合わせて回数を変えることもできます。
先日は「生徒向け4時間、先生向け2時間」というご依頼だったので、
生徒には1〜4を教えて、6〜7は先生方が指導できるように託しました。
■宿題、添削について
宿題を出すか出さないかは受講者の規模によります。
20人なら毎回宿題を出して私が添削します。Google DriveやOneDriveで共有できると楽です。
40人なら講習会の最初と最後に1回ずつ出して、ビフォーアフターを確認します。
100人以上だと・・・先生方が宿題を見てあげられるように一緒に受講していただくのが一番かと思います。
■質問対応
質問専用のメールアドレスをご用意しています。
匿名OK、件名は「質問 ◯◯高校」。
質問にはメールの返信はせず、次の講義の中でお答えします。
講義が終わってからカメラ越しに質問してくださっても構いません。
■昨年やってみて、やめたこと
チャットによるリアクションはやめました。
少数の仲間内なら気心知れているし、外のネット世界なら匿名になれますが、学校内の誰かにコメントを見られるというのは抵抗が大きいようですね。
むしろメールの方が質問しやすいようです。
結局コメント欄にはネット慣れしている数人が書き込むだけという微妙な空気になってしまって(苦笑)
以上のような感じで、今年もオンライン中心に講義をしています。
みなさんの学校で小論文講習会を企画される際の参考にしていただければと思います。
〈メルマガ【論文アカデミー】2021.7.5 Vol.015〉
「ビジネス国語」によって職場の諸問題を解決する研修講師。
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされたのをきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢される。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーに。
その後、所属予備校が業界最大手から陥落し全国の校舎を閉鎖、自身もリストラされる怒涛の数年間を経験。意思疎通のエラーで混乱していく組織を詳細に観察し「ビジネス国語」を体系化する。独立後は社会人教育に転身し、大手企業の社員研修に多数登壇。受講者との軽妙なやり取りは「研修というより、めちゃくちゃ役に立つエンタメ」と評される。
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