【絶版、回収】「誤読したまま引用」という致命的なミスの話が他人事とは思えず背筋が凍る件
本を書く人間として、ゾッとするニュースです。
「ウルトラマンの『正義』とは何か」の内容に誤り、回収・絶版に
本の中で大江健三郎氏の論考として要約・紹介されたものが
実は切通理作氏が大江氏の論を批判した文章だったと。
ややこしいですね(笑)
大江氏がAだと言った。
切通氏はBと言って大江氏のAを批判した。
それを「大江氏がBと言った」かのように引用してしまった。
評論というのは「筆者の主張」を明確にするために「逆の立場」と対比するものです。
そのためA→B→A→Bと正反対の内容が交互に登場するので
いまどっちを読んでいるのか混乱しちゃうんですよね。
現代文のテストも基本的にAとBを読み分けているかが問われます。
Aだけで書かれている選択肢が正解、部分的にBが混ざっているのと、完全にBだけのが不正解選択肢です。
評論は構造的に誤読しやすいんですよ。
だから私も
課題文を裏の意味に誤読したまま解答例を作って参考書に載せてしまう
ということがあり得るわけです。
怖っ!
他人事とは思えません。。。
引用の失敗例としても
誤読の実例としても興味深いので
実際の文面を確認したいんですが・・・
既に出版社は問題の本を回収していて、
Amazonでは4500〜7600円の高値に!!
(レビュー欄に出版社からのお詫びと説明が投稿されています)
<メルマガ【ミニマル思考カフェ】2021.6.26 Vol.1033>

シリーズ累計25万部のベストセラー参考書「何を書けばいいかわからない人のための 小論文のオキテ55」の著者。代々木ゼミナール小論文講師を経て、現在は企業研修講師としてビジネスパーソンにロジカルシンキング、ロジカルライティングを指導。合同会社ロジカルライティング研究室代表。