【国語の先生なもので】日本史での「製糸工場と紡績工場の違いの覚え方」に納得がいかなかった件
日本史の問題です。
「製糸工場と関係があるのは?
a 綿花 b 養蚕」
コットンもシルクも糸なので両方とも正解に見えますが、
正解は「b 養蚕」だそうです。
日本史では
「製糸工場は蚕の繭から糸を作るところ」
と教えられます。
goo国語辞書によると
【製糸】糸をつくること。特に、繭から生糸をつくること。「製糸工場」
ヤフー知恵袋系でも「紡績工場と製糸工場の違いは?」という質問は多いんですが、
ほとんどの回答が「綿花は紡績、絹は製糸」という、「こう覚えとけ」的な説明です。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1227738577
これでベストアンサーっすか?!
日本史ではそこは暗記でOKかもしれませんが、
国語の専門家としては納得できません。
綿花からも糸を作ってるのに、なぜ「製糸」はシルク限定なの???
材料が違うと工場の呼び名も変わるのはなぜ???
謎を解くカギは「製糸」ではなく「紡績」の方にありました。
これによると、「紡績」「つむぐ」とは
「比較的短い繊維類(植物性繊維や動物性繊維)を引き延ばしつつ、撚り合わせる(よりあわせる、=ねじって、互いがからみつくように一体化させる)という行為」
そして
「これに対し、長繊維の絹を蚕の繭から繰り出し、ばらばらにならないよう数本まとめて撚る工程は製糸と呼ばれる」
つまり、原材料の繊維が短いか長いかで製法が違っていたわけです。
材料じゃなくて製法の違いだったか!
それなら機械設備も異なるはずで、紡績工場と製糸工場が別の施設であることに納得がいきます。
教科書で用語を覚えるのではなく、
辞書で言葉の意味を調べる。
高校時代にこういう勉強法を知っていたら、
もっと日本史に興味持ったかもしれないなあ。。。
<メルマガ【ミニマル思考カフェ】2021.3.3 Vol.0918>

シリーズ累計25万部のベストセラー参考書「何を書けばいいかわからない人のための 小論文のオキテ55」の著者。代々木ゼミナール小論文講師を経て、現在は文章力トレーニングの専門家として大手企業の社員研修に多数登壇。合同会社ロジカルライティング研究室代表。