課題文にも「抜けている情報」があると思って読むと、意外な切り口が見つかる
北九州市立大学法学部の問題について質問をいただきました。
この場合、段落構成はどうするのか?と。
問題文はこちらです↓
https://www.kitakyu-u.ac.jp/uploads/3a51cf130658adbbc615522f4d6944e7.pdf
問1が課題文の説明(400字)、
問2が「監視カメラを用いた国家による監視の強化について、賛成か反対かあなたの見解を述べなさい」(400字)。
実は課題文の中で
監視カメラのメリットとデメリットがすでに議論されてしまっています。
その上で、問2で「賛成か反対か」と聞かれると
「私は賛成(反対)だ」だけで400字埋めようとしたり、
問1で書いたメリットとデメリットをもう一度くり返したり、
スッキリしない答案になりがちですね。
私だったら、どう書くか?
課題文の中で、監視カメラが役に立った事例は具体的にあがっているものの、
よく読むと、反対派は監視カメラの「実害」を指摘できていないんですよ。
「国家の介入」って抽象的だし、「歌舞伎町が監視カメラだらけ」といっても誰も困らないし(笑)
ならば、
・具体的なメリットは問1で済ませたものとして、
問2では
・監視カメラのデメリット(本文に書かれていない実害を挙げる)を200字、
・解決策(賛成、反対)を200字の
2段落構成で書きますかね。
問1の400字と合わせてメリット/デメリット/解決策の3段落です。
実害は、中国みたいに国家が国民を統制するケースとか、戦時中の日本も同じようなことやっていたという例を挙げてもいいでしょう。
解決策では、監視カメラに賛成なら「権力の暴走をどう防ぐか」、反対なら「治安をどう守るか」というフォローを入れましょう。
賛成派、反対派の主張というのは
大事なことに触れていないことがあるんです。
課題文に「抜けている」情報に気づくと、解決の糸口が見えてくるものです。
<メルマガ【ミニマル思考カフェ】2021.2.24 Vol.0911>

ビジネス書・受験参考書著者
株式会社キャリア・サポート・セミナー顧問講師
「ビジネス書著者のロジック✕予備校講師のわかりやすさ」を武器とする企業研修講師。
若手社員〜管理職の問題解決トレーニングのほか、広報・セールスライティングのコンサルティング、プロの著者を対象とした文章指導など幅広く活動。
公開セミナーでは満席御礼を連発し、「受講翌日に契約が取れた」「職場の人間関係が改善できた」「笑いと学びが濃密で3時間まったく飽きない」などの評価を得るほか、セミナーの内容をまとめたビジネス書『ミニマル思考 世界一単純な問題解決のルール』は韓国、台湾でも翻訳出版される。
代々木ゼミナール講師時代、ロジカルシンキングを高校生向けにアレンジした参考書『何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55』を出版。発売から6年連続Amazonカテゴリ1位、シリーズ累計20万部を超えるヒットとなり、2013年から2014年までNHK Eテレ「テストの花道」に小論文の先生として出演する。
1969年、青森県生まれ。東北大学大学院文学研究科修士課程修了(認知心理学専攻)。