佐賀県で実施された模擬試験で、英語の文章の内容が騒ぎになっています。
佐賀新聞「佐賀県模試の英語問題に疑問の声 イスラム教とテロ結びつけ? 実施側「不適切」認める」
https://www.saga-s.co.jp/articles/-/627942
実際の文章はこちら↓
https://www.saga-s.co.jp/articles/gallery/627942?ph=1
高校生の作文です。
エジプト旅行に行ったらしつこい物売りの子どもがいて、
彼らについて高校生の父親が「稼げなかったら、食べ物を求めてモスクに行き、テロリストになる」と話します。
その1か月にボストンマラソンでの爆破テロが起き、
高校生は「私が絵葉書を買っていれば、彼らがテロリストになることを防げたかもしれない」と考え、
「世界から貧困と戦争を終わらせたい」と考えるようになった、というお話です。
どこが「不適切」ですか???
イスラム教が悪いとは一言も言ってない。
モスク云々の部分は「父親がそう発言した」というだけだし、
しかも「食べ物を求めて」行く場所とされています。
どう読んでも、テーマは「貧困」です。
作文としては、とても立派な文章です。
一番驚いているのは、この作文を書いた当時の高校生本人でしょう。
まさか英作文コンテストで表彰された数年後に、言葉狩りで大炎上するとは!!
「疑問視する声」が地元の新聞に寄せられたからと(何件?)、
さっそく「不適切だ」と決めつけて会見する萩生田文科相。
さっそく陳謝する佐賀県の教育長。
あなたたちが脊髄反射的に頭を下げることで
今後、高校生たちは思ったことを自由に書けなくなるでしょう。
「イスラム教」が触れてはいけないNGワードになってしまうでしょう。
せめて、テレビの世界のBPOみたいに
時間をおいてから客観的に審議する機会を設けてもいいんじゃないでしょうか?
<メルマガ【ミニマル思考カフェ】2021.2.3 Vol.0890>
「ビジネス国語」によって職場の諸問題を解決する研修講師。
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされたのをきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢される。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーに。
その後、所属予備校が業界最大手から陥落し全国の校舎を閉鎖、自身もリストラされる怒涛の数年間を経験。意思疎通のエラーで混乱していく組織を詳細に観察し「ビジネス国語」を体系化する。独立後は社会人教育に転身し、大手企業の社員研修に多数登壇。受講者との軽妙なやり取りは「研修というより、めちゃくちゃ役に立つエンタメ」と評される。
→プロフィールの続きを読む