小論文はなぜ「小」なのか?
字数が少ないから?
大学入試の小論文は600字〜1200字くらいが多いですね。
ときどき2000字なんてところもあります。
学者が書いた論文の中でも短いことで有名なのが、
DNAの二重らせん構造を発見したワトソンとクリックの論文。
こちらのサイトによると約1000ワード、日本語訳は約2200字です↓
「ワトソン・クリック「DNA 二重らせん」論文を読んでみよう」
http://www.crl.nitech.ac.jp/~ida/education/ResearchSeminar/20190215WatsonCrick.pdf
でも20世紀最大の発見と呼ばれるこの論文を「小論文」と呼ぶ人はいませんよね。
小論文に「小」がつく一番の理由は
「仮説を書いただけで、検証されていない」という点です。
問題提起「地球温暖化が問題となっている」
学術論文なら、気候のデータとか証拠写真とかのエビデンスを並べます。他の論文を引用して、最後に出典のリストをまとめます。
でも小論文は「こんなことがニュースで報じられている」までです。データとか引用とかはありません。
なぜなら、試験会場で制限時間の中で書かなきゃいけないからです。調べて書いたらカンニングになります。
「証拠は出せないけど、地球温暖化が問題となっていると仮定して話を進めましょう」
これが小論文なんです。
続く段落も
原因「工場から出る排気ガスが原因だ(と仮定しよう。全体の何%かはデータ持ってないけど)」
解決策「途上国にエコな技術を提供しよう(効果あるかどうかは、やってみないとわからないけど)」
仮定の上に仮定と仮定を重ねていくわけです。
まさに机上の空論!(爆)
これこそ「論文」ではなく「小論文」と呼ばれる理由です。
なので社会人、ビジネスパーソンに論文やレポートを指導するときはこの点が変わります。
エビデンス(証拠)を求めます。
「では、そのノウハウが他の人にも通用するかどうか、いまから職場で実験してください!」
<メルマガ【ミニマル思考カフェ】2020.10.10 Vol.0774>
合同会社ロジカルライティング研究室 代表
ベストセラー参考書「小論文のオキテ55」シリーズ著者
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされた敗北感をきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢され、NHKの教育バラエティ「テストの花道」にも出演。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーとなる。
現在は社会人教育に転身し、製造、IT、建設、エネルギー業界を中心に大手企業60社以上の社員教育に携わる。「受講した翌日、契約が取れた」「険悪だったリームの雰囲気が変わった」など即効性のあるノウハウが支持される。
「世のつまらねえ研修を撲滅し、楽しく学べて役に立つ魔法に変える」がモットー。