【○○を書いたらアウト】「高校生の小論文」と「中学生の作文」の採点基準は「地動説」と「天動説」くらい違う件
中学生の作文なら許されるけれど
高校生の小論文だと評価されなくなり、
公務員試験の論作文で書いたらアウトなこと。
それは「善悪で裁く」ことです。
「○○は許されないと私は思う」の類です。
善悪というのは個人的な価値観であって、立場によって変わります。
なので「へえ、君はそう思うんだね。僕は違うから」
と、説得力を持ちません。
マスクしない人はダメだ、親切にしない若者はダメだ、子どものお弁当を手作りしない母親はダメだ、金儲け考える政治家はダメだ・・・
でも、
マスクしない人にも事情はあり、席を譲らない人にも別な考えがあり、手作りしない人にも優先順位があり、金儲け考える政治家には表に出さない計画があるかもしれません。
「盗人にも三分の理」といいますが、
「わからず屋にも五分の理」があると思って耳を傾けるのが
脱主観=客観的に物事を考える第一歩。
そういう意味で、意見が対立する系のテーマでは
「メリット/デメリット/Win-Winな解決策」という三段落構成が「大人の正解」です。
「私は賛成だ/なぜなら/しかし/よって私は賛成だ」という某大御所先生による「これだけ!」方式は
冒頭から「主観でーす!」と宣言してしまっているんですね。
これが許されるのは小中学生のあいだだけです。
大学入試と公務員試験では
善悪とか正義感とか好き嫌いは引っ込めて、
「わからず屋の五分の理」に耳を傾けましょう。
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シリーズ累計25万部のベストセラー参考書「何を書けばいいかわからない人のための 小論文のオキテ55」の著者。代々木ゼミナール小論文講師を経て、現在は文章力トレーニングの専門家として大手企業の社員研修に多数登壇。合同会社ロジカルライティング研究室代表。