「ミニマル思考」は受験小論文の最先端だけど、ビジネスの現場の厳しい声で磨かれたものなんですよという「ほろ苦い話」
昨日は都内の高校で先生向けの講演でした。
昔は高校に行くと「代ゼミの先生」として紹介されました。
でもいまは違います。
「ビジネスパーソンに問題解決型ライティングを指導している研修講師」が
そのノウハウを高校向けに噛み砕いて話す、という立ち位置です。
逆輸入です。
受験小論文での問題解決の方法論が
ビジネスや社会の問題解決でも通用するかどうか、5年ほど試してきました。
初めて「ミニマル思考」のセミナーをやったときは、
私もまだ詰めが甘くて、いろいろご批判やご指摘もいただいたなあ(苦笑)
一番覚えているのが、大手企業の人事部の女性。
「『不公平感』は気分だから問題にするなとおっしゃいますが、
人事部にとって社員同士の不公平感は見過ごせない大問題なんですけど?」
そのときは上手くお答えできなかったんですよ。。。
でも、いまならこう説明します。
「『不公平』という気分を真に受けると
『じゃあ成果主義をやめて横並びに戻そう』という後ろ向きの発想になります。
でも社員が『何について不公平だと文句を言っているか』という事実をヒアリングすると
社内の『理不尽な仕組み』が見つかり、改善することができます」
こんな感じで鍛えられてきました。
「ミニマル思考」は現場のみなさんの声で進化してきたんですよ。
高校での講演を終えて、
「こんな話、初めて聞きました!」とか
「小論文に対する捉え方が変わりました」とか
ありがたい感想をうかがいながら、
初期の「ミニマル思考」のセミナーで
厳しいご意見をくださった方のお顔やアンケートの文字が
ほろ苦い思い出として蘇るのでした。
<メルマガ【ミニマル思考カフェ】2019.12.11 Vol.0470>

シリーズ累計25万部のベストセラー参考書「何を書けばいいかわからない人のための 小論文のオキテ55」の著者。代々木ゼミナール小論文講師を経て、現在は文章力トレーニングの専門家として大手企業の社員研修に多数登壇。合同会社ロジカルライティング研究室代表。