バイト採点者どころか、「先生」たちに記述問題の採点をさせても混乱・炎上すること必至な「国語教育界の実情」
大学入試改革で「民間の英語テスト」が先送りされて、
次の話題は「国語の記述問題」に移ってきました。
結論を言うと、
共通テストで記述問題をやるのは「不可能」です。
なぜかというと、
国語を教える先生たちの間で
「何を正解とするか」が決まっていないからなんです。
「記述問題の答えは必ず本文の中に書いてある」と信じている国語の先生って多いんですが、
実際のところ、インテリの筆者ほど「あたりまえの説明」は省略して書いてますよね。
出題者が傍線引いて問題にするのは「意味のわからない子が一定数いそうな箇所」です。
当然、質問の中には「省略された理屈」も含まれます。
こうなると、
「本文の中から言葉を拾ってつないだ解答」と
「本文で省略された説明を自分で補った解答」は
ぜんぜん別物になるわけです。
国語業界のこの問題を最初に指摘したのは私です(キリッ)。
『現代文のオキテ55』https://amzn.to/2KG3NAN
出版当初、「解答例が意味不明」という予想通りのAmazonレビューがつきましたが、
なぜか現在は消えています。(なぜ消したのかを聞いてみたい)
国語教育界でこの辺のコンセンサスが取れていないうちに
「採点基準」とか「模範解答」とか公表した日には
喧々諤々の議論で炎上することが目に見えています。
バイトに採点させようとしたベネッセは
それに耐えられるんでしょうか???
〈追伸〉
代ゼミ時代に書いていた受験生向けブログで
この記述問題に関する記事を整理しました。
2009年から2014年まで
国語教育界の因習と戦った記録です。
http://eichi08.com/archives/cat_10028769.html
<メルマガ【ミニマル思考カフェ】2019.11.22 Vol.0451>

ビジネス書・受験参考書著者
株式会社キャリア・サポート・セミナー顧問講師
「ビジネス書著者のロジック✕予備校講師のわかりやすさ」を武器とする企業研修講師。
若手社員〜管理職の問題解決トレーニングのほか、広報・セールスライティングのコンサルティング、プロの著者を対象とした文章指導など幅広く活動。
公開セミナーでは満席御礼を連発し、「受講翌日に契約が取れた」「職場の人間関係が改善できた」「笑いと学びが濃密で3時間まったく飽きない」などの評価を得るほか、セミナーの内容をまとめたビジネス書『ミニマル思考 世界一単純な問題解決のルール』は韓国、台湾でも翻訳出版される。
代々木ゼミナール講師時代、ロジカルシンキングを高校生向けにアレンジした参考書『何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55』を出版。発売から6年連続Amazonカテゴリ1位、シリーズ累計20万部を超えるヒットとなり、2013年から2014年までNHK Eテレ「テストの花道」に小論文の先生として出演する。
1969年、青森県生まれ。東北大学大学院文学研究科修士課程修了(認知心理学専攻)。