作家でもミュージシャンでも料理人でも
クリエイティブな仕事をしている(したい)人に、
「やりたいことよりも、まずは売れることが大事だよ。
売れてから好きなことをすればいい」
とアドバイス(説教)する人がいます。
これ、ちょっと気をつけた方がいい。
なぜかというと、
この手のアドバイスは
「だから、やりたいことを捨てて大衆ウケを狙おう」
と続くからです。
これを真に受けて「慣れないこと」に手を出して
迷走する人、たくさんいます。
想定外の客層が集まってしまったり、ますます売れなくなったり。
そもそも、「まずは売れなきゃ始まらない」という人って
売れなくてお金に困っている前提で発想しています。
その時点で「勝ったことのない人」です。そんな人のアドバイス聞いても(笑)
正しいアドバイスは
「売れるために新しいことをしよう」ではなく
「得意なことを、売れる形にアレンジしよう」です。
見せ方を変える、ネーミングを変える、市場を変える、組み合わせを変える・・・
「得意な部分」を残したままで、変えられる部分というのは意外とたくさんあるものです。
爽やか系サウンドの代名詞、スピッツ。
でも彼らの昔のインタビューを読むと、
もともとはブラック・サバスとかのヘビメタが好きな人たちなんですよ。
なのに「ロビンソン」w
なのに「楓」ww
やってることが正反対です。
では、彼らは売れるために「やりたいこと」を曲げたのかというと、
そんなことないんです。
草野マサムネさんの声とか歌詞とか、バンドの演奏技術とか曲とかの良さがもともとあって、
それらを一番活かせる形を選んだら
ヘビメタではなくスピッツサウンドだったというだけなんです。
「捨てるべきもの」と「残すべきもの」。
これを正しく自己分析できていないと
「まず売れるために、不本意な仕事でも我慢しろ」とかいう無責任なアドバイスに
振り回されることになってしまいます。
<メルマガ【ミニマル思考カフェ】2019.11.6 Vol.0435>
「ビジネス国語」によって職場の諸問題を解決する研修講師。
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされたのをきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢される。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーに。
その後、所属予備校が業界最大手から陥落し全国の校舎を閉鎖、自身もリストラされる怒涛の数年間を経験。意思疎通のエラーで混乱していく組織を詳細に観察し「ビジネス国語」を体系化する。独立後は社会人教育に転身し、大手企業の社員研修に多数登壇。受講者との軽妙なやり取りは「研修というより、めちゃくちゃ役に立つエンタメ」と評される。
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