小学校1年生の娘の話を聞いていると、
「今日ね、渡辺さんが給食のときね・・・」
「帰りに近藤さんがバッタつかまえたの」
友だちの名前が「名字+さん」なんですよ。
幼稚園では「りのちゃん」「ちかちゃん」「さとしくん」「りゅうのすけくん」だったのに。
名前を聞くとお友だちのかわいい顔が浮かびましたよ。
「渡辺さん」「近藤さん」だと
男の子なのか女の子なのか、
仲がいいのかどうなのか、
どんな帰り道の風景なのか、
何も伝わりません。ほぼ「匿名」。
この「名字+さん」というのは
いじめを防止するために始まったルールだそうです。
一律に名字なのは、キラキラネームの子への配慮らしいです。
たしかに、いじめの第一歩が不本意なあだ名というのはよくありますし、
いじめまで発展しなくても、毎日嫌な呼び方をされたらストレスになりますからね。
でも、中には好意的なニックネームというのもあるわけで、
それまで禁止するのはどうなんでしょ?
アメリカだったら、自己紹介のときに
「Hi, I'm Elizabeth.
Please call me Liz.」
自分の愛称を自分で決める文化があります。
「Hi, I'm Lee Tang Ho.
Please call me Steve.」
どこがスティーブだよ!?と思いますが、
非英語圏の人が本名とはぜんぜん違う英語名を自分で名乗るというのはよくあることです。
Bruce Leeも本名は李小龍でした。
一方、日本人は奥ゆかしいので
「◯◯と呼んでね♪」なんて文化はないんでしょうか?
いえいえ、あるじゃないですか。
ネットでもゲームでも、ニックネームを自分で決める文化が。
クラス全員でフルーツバスケットみたいなゲームをやって、
各自がニックネームの名札をつければいいんですよ。
名字でも下の名前でも略称でも。
ゲームなら照れくさくないし、
定期的に行えばリセットすることも可能です。
「不本意なあだ名」を避けるために
「名字+さん」で画一化するのか
「好きな呼び名」を各自が決めるのか。
解決策は少なくとも2通り考えられたと思うんですが。
<メルマガ【ミニマル思考カフェ】2019.11.9 Vol.0438>
「ビジネス国語」によって職場の諸問題を解決する研修講師。
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされたのをきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢される。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーに。
その後、所属予備校が業界最大手から陥落し全国の校舎を閉鎖、自身もリストラされる怒涛の数年間を経験。意思疎通のエラーで混乱していく組織を詳細に観察し「ビジネス国語」を体系化する。独立後は社会人教育に転身し、大手企業の社員研修に多数登壇。受講者との軽妙なやり取りは「研修というより、めちゃくちゃ役に立つエンタメ」と評される。
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