チンパンジーとオランウータン、
どちらが賢いのかという実験の話です。
箱の中にバナナが入っていて、
簡単な仕掛けの錠を開けてバナナを取り出すという課題を与えると、
チンパンジーはいきなり箱をゆすったり錠をいじったり、
あれこれ試行錯誤をしまくって、ようやく箱を開けることに成功する。
一方、オランウータンは
離れたところに座ってじーーーーっと箱を眺め、
たまに近寄って箱に触ってはまた戻る。
これを2、3回くり返すと、あっさり錠を開けてしまう。
結局、
バナナをゲットするのに要する時間は
チンパンジーもオランウータンもほぼ同じなんだそうです。
アプローチが正反対でも
成果という点で見ると知能のレベルは同じなんですね。
人間にも、この2つのタイプがいるように思えます。
チャキチャキ動き回って成果を出す人と、
一見、ぼーーーーーーっとしているのに最終的には成果を出す人。
うちの上の子が幼稚園に入った頃、
まったく歌わない、踊らない「問題児」だったんです。
最初の参観日も、一人だけ直立不動(笑)
担任の先生も心配して電話をくれるほどでした。
ところが、秋の運動会で
突然踊りだしたんです。しかも完璧に!(笑)
たぶん、何も考えずぼーーーーーっとしていたんではないんです。
みんなの踊りを観察していたのか、イメトレしていたのか、
何かが時間をかけて熟成されていたんでしょう。
そんな上の子を見ていて、「親子だなあw」と思っていました。
私も子どもの頃からスロースターターだったもので。
九九を覚えるのがクラスで一番遅かったんです。
みんなが九の段に入った頃、私だけ六の段あたりで。
ところが、
ある朝、目が覚めるときに九の段までスラッと言えたんです。
クラスのみんなが九九を最後まで言っているのが耳から入っていたんでしょうか?
この歳になって急にピアノを弾けるようになったのも
何十年も謎だったブラックボックスがパカっと開いただけです。
スロースターターって、いるんですよ。
世の中のどのくらいの割合かは知りませんが。
頑張っているように見えない、進歩しているように見えない人がいても
「何もしてない」と決めつけて怒っちゃダメなんですね。
逆に、チャキチャキ動いている人のSNSを見て
「自分だけ取り残されてる」とか不安になる必要も、まったくないわけです。
オランウータンがチンパンジーを見て「羨ましい」とか思わないじゃないですか(笑)

合同会社ロジカルライティング研究室 代表
ベストセラー参考書「小論文のオキテ55」シリーズ著者
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされた敗北感をきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢され、NHKの教育バラエティ「テストの花道」にも出演。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーとなる。
現在は社会人教育に転身し、製造、IT、建設、エネルギー業界を中心に大手企業60社以上の社員教育に携わる。「受講した翌日、契約が取れた」「険悪だったリームの雰囲気が変わった」など即効性のあるノウハウが支持される。
「世のつまらねえ研修を撲滅し、楽しく学べて役に立つ魔法に変える」がモットー。