「重要度・緊急度マトリックス」を使いこなせないのは「人生と仕事の選択権」を他人に握られているから仮説
有名な「重要度・緊急度マトリックス」というものがあります。
やるべきタスク、TODOに優先順位をつける方法で、
2×2の表を書いて
「重要かつ緊急」
「重要だが緊急ではない」
「重要ではないが緊急」
「重要でも緊急でもない」
の4つに分けるというものです。
昔、仕事が増えて忙しくなったときに試してみたのですが、
すぐにやめてしまいました。
「4つに分類できねーじゃん」
いただく仕事というのはどれも重要ですし、
だいたい〆切がありますから、どれもすぐに緊急になるんですよね。
重要度、緊急度で分けるよりも、
「すぐできそうなものから片付ける」
こっちの方が実用的でした。結果的には。
予備校の中にいたときは、これで十分だったんです。
組織の中でタスクをこなす分には、
全部「重要かつ緊急」で、それらを片っ端から片付けるのが合理的です。
ところが、独立してみると、わかるんですよ。
「緊急じゃないけれど、重要」な、いわゆる「種まき」の時間の大切さが。
(『朝活手帳』で有名な池田千恵さんが上の4分類を「食い扶持」「種まき」「日課」「思いつき」と言い換えてくれました。この方がずっとわかりやすい)
詳しくはこちら→ https://ikedachie.com/asakatsu-techo/
組織の中と違って、黙って待っていても仕事が降ってきません。
そのかわり、やりたい仕事と組みたい相手を選べるという
とてつもない自由があります。
ただし、そのためには
自分がどういう方向に進むべきか、どんな人生を送りたいのか、
自分で考えて決める必要があるんですね。
それを考えるのが
「重要だが緊急ではない」、種まきの時間。
なので「重要だが緊急ではない」の部分に書き込まれるのは
「締め切りまでまだ1か月先あるやつ」ではなく
「10年後に実現したいこと」みたいなプランになるわけです。
ということは、
組織に属しているかどうかはどっちでもいい話で、
大事なのは「人生と仕事の選択権を握っているかどうか」なんですね。
「重要・緊急のマトリックスって、使えねー」と思っている方は
手帳の使い方を工夫する前に
人生と仕事の選択権を取り戻すところから始めましょう。
と、昔の自分に言ってやりたい(笑)
<メルマガ【ミニマル思考カフェ】2019.6.15 Vol.0291より>

ビジネス書・受験参考書著者
株式会社キャリア・サポート・セミナー顧問講師
「ビジネス書著者のロジック✕予備校講師のわかりやすさ」を武器とする企業研修講師。
若手社員〜管理職の問題解決トレーニングのほか、広報・セールスライティングのコンサルティング、プロの著者を対象とした文章指導など幅広く活動。
公開セミナーでは満席御礼を連発し、「受講翌日に契約が取れた」「職場の人間関係が改善できた」「笑いと学びが濃密で3時間まったく飽きない」などの評価を得るほか、セミナーの内容をまとめたビジネス書『ミニマル思考 世界一単純な問題解決のルール』は韓国、台湾でも翻訳出版される。
代々木ゼミナール講師時代、ロジカルシンキングを高校生向けにアレンジした参考書『何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55』を出版。発売から6年連続Amazonカテゴリ1位、シリーズ累計20万部を超えるヒットとなり、2013年から2014年までNHK Eテレ「テストの花道」に小論文の先生として出演する。
1969年、青森県生まれ。東北大学大学院文学研究科修士課程修了(認知心理学専攻)。