オープン型のセミナーには
いろんな会社から
いろんな業種、職種、役職、年代の方が集まります。
そんなとき、冒頭で「ある一言」を伝え忘れると
受講後のアンケートにこう書かれます。
「営業寄りの話が多かった」
「もっと営業トークのことを聞きたかった」(あれ?さっきと逆ですね)
「もっと管理職向けの話を」
「現場の若手が使える話を」
「私の部署には合わなかった」
管理職から新入社員から営業マンから製造現場から事務職まで
すべての方のお仕事に事例や例文をピッタリ合わせるというのは
そもそも無理な話なんですが、
そこを「無理です」と言っちゃうと、今度は
「営業に特化したセミナーをやってほしい」みたいな話になっちゃうんですね。
それはセミナーの冒頭で「ある一言」を伝え忘れたからです。
その一言とは
「いろんな役職、いろんな場面の事例や例文が登場しますが、
コアな部分は共通です。
ご自身の仕事に合わせて応用してみてください」
当たり前といえば当たり前のことなんですが
(講師の側からすると当たり前のことなんですが)、
セミナー慣れしていない、
学び慣れしていない受講者は
「応用する」に気づかないこと、あるんです。
そこは講師がガイドしてあげるべきです。
「甘えるな」とか「積極性が足りない」とか言っちゃいけないんです。
「学ぶ姿勢ができていて当たり前」というのは
学びの場に毎日立っている講師の感覚であって、
ふだん自分の仕事で忙しい受講者は
「学ぶ姿勢」まで整えている余裕なかったりするんです。
この「応用してみて下さい」という一言の効果は
受講者の反応にはっきり表れます。
まず、アンケートに「私の仕事に合わなかった」とは書かれなくなります。
そして、休憩時間や終了後の質問で
「私の業務は◯◯なんですけど、この場合はどうすればいいですか?」
という具体的なアドバイスを求める声が増えます。
「聞いて終わり」ではなく、
「応用? んーーー、私の場合は?」
と頭を働かせ始めた証拠です。
<メルマガ【ミニマル思考カフェ】2019.5.31 Vol.0276より>
合同会社ロジカルライティング研究室 代表
ベストセラー参考書「小論文のオキテ55」シリーズ著者
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされた敗北感をきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢され、NHKの教育バラエティ「テストの花道」にも出演。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーとなる。
現在は社会人教育に転身し、製造、IT、建設、エネルギー業界を中心に大手企業60社以上の社員教育に携わる。「受講した翌日、契約が取れた」「険悪だったリームの雰囲気が変わった」など即効性のあるノウハウが支持される。
「世のつまらねえ研修を撲滅し、楽しく学べて役に立つ魔法に変える」がモットー。