『おまえうまそうだな』(宮西達也 ポプラ社)という絵本があります。
生まれたばかりのアンキロサウルスの赤ちゃんが
ティラノサウルスを自分の親だと勘違いしてしまう話です。
この2匹が出会ってまもなく、
このアンキロサウルスの赤ちゃんを
ティラノサウルスが他の恐竜から守る場面が出てくるのですが、
上の子(6歳)が言うんです。
「独り占めして自分で食べたかったんだよね」
いやいや、すでにアンキロサウルスに情が移っていたからじゃん。
前のページちゃんと読んだんか?!
と説得しそうになったのですが、
やめときました。
「解釈は自由でいい」というわけではなく、
「読解力が育っていくプロセス」を観察したかったんです。
考えてみたら、自分も子どもの頃
何度読んでも腑に落ちない部分があって、
だいぶ経ってから読み間違いに気づいた
ということがありましたから。
でも、そのときに
「解釈が2つに割れることがあり得る」ことを知ったんです。
誤読したおかげで、「正しく読む」という選択肢を知ったんですよ。
予備校講師のころは
「正しく解釈しなきゃダメ!」みたいな感じだったんですが、
そのために
「誤読する子の思考回路」をずいぶん見落としてしまったかもしれません(反省)
当面はこっちから口をはさまずに
上の子が「いつ自分の誤読に気づくのか」を観察してみようと思います。
名作です。大ベストセラーです。
『おまえうまそうだな』(宮西達也 ポプラ社)https://amzn.to/2HuUQIe
<メルマガ【ミニマル思考カフェ】2019.5.15 Vol.0260より>

合同会社ロジカルライティング研究室 代表
ベストセラー参考書「小論文のオキテ55」シリーズ著者
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされた敗北感をきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢され、NHKの教育バラエティ「テストの花道」にも出演。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーとなる。
現在は社会人教育に転身し、製造、IT、建設、エネルギー業界を中心に大手企業60社以上の社員教育に携わる。「受講した翌日、契約が取れた」「険悪だったリームの雰囲気が変わった」など即効性のあるノウハウが支持される。
「世のつまらねえ研修を撲滅し、楽しく学べて役に立つ魔法に変える」がモットー。