「読んでいて急激に眠くなる文章」って、あります。
仕事で必要な資料だったり、受験生の場合は小論文の課題文だったりすると
「眠くなるから読まない」というわけにもいきません。
「眠くなる」ということは、何かが「わからない」からです。
この「わからなさ」はだいたい3種類に分類できます。
【1 一文一文の意味がわからない】
これが「一番わかりやすい、わからない文章」ですね(笑)
理由は2つに集約されます。
(1) 使っている用語の意味がわからない。
(2) 「風が吹くと桶屋が儲かる」みたいに因果関係を省略していて腑に落ちない。
書き手と読み手の知識や理解に差があるとき、こうなります。
【2 一文一文はわかるが、全体としての内容がわからない】
「エビ文」と呼ばれる文章によくある症状です。
たとえば「A 科学を肯定する話」と「B 科学を批判する話」のように
逆の内容が「A→B→A→B→...」と交互に並んでいる文章。
「しかし」「それに対して」などの接続詞を見落とすと
対立構造がごちゃまぜになって「意味不明な文章」に思えてしまいます。
現代文のテストに選ばれるのは決まってこのタイプの「悪文」です。
【3 何のために書かれた文章なのかわからない】
これは「エビ文」にすらなっていない、
対立構造が文中に書かれていない文章です。
たとえば「米国政府が作った新しいルール」といったら、
文中に書かれていなくてもEUと異なる点があったりするわけです。
この場合、対立項が思い浮かばないと「何を言いたいのか」が完成しません。
資料の一部抜粋などに多いですね。
「眠くなる、わからない」に原因が3つあるとわかれば
それぞれ対処が可能です。
「わかる」に変えれば眠気は覚めます。
・・・って、
なぜ急にこんな話を書いたかというと、
いま目の前に
「めっちゃ眠くなる国家公務員の過去問と答案」が届いているからです(笑)
こいつのせいで、
中目黒で打ち合わせなのに
うとうとしたまま元町・中華街まで行っちゃうところでしたよ(汗)
「ビジネス国語」によって職場の諸問題を解決する研修講師。
就職試験の論文をほぼ白紙で提出し3社連続で落とされたのをきっかけに論文試験の攻略法を研究。誰でも書ける独自のメソッドを開発した結果、大手大学受験予備校の小論文講師に抜擢される。参考書「何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55」はシリーズ累計25万部のベストセラーに。
その後、所属予備校が業界最大手から陥落し全国の校舎を閉鎖、自身もリストラされる怒涛の数年間を経験。意思疎通のエラーで混乱していく組織を詳細に観察し「ビジネス国語」を体系化する。独立後は社会人教育に転身し、大手企業の社員研修に多数登壇。受講者との軽妙なやり取りは「研修というより、めちゃくちゃ役に立つエンタメ」と評される。
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